研究課題/領域番号 |
03205071
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増田 俊夫 京都大学, 工学部, 助教授 (60026276)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 機能性材料 / 置換ポリアセチレン / 分子設計 / 高分子合成 / 連鎖移動剤 / トリメチルビニルシラン / 分子量規制 / メタセシス機構 |
研究概要 |
連鎖移動剤を用いるとポリマ-の分子量の制御や末端への官能基の導入が可能となることが期待されるが、5,6族遷移金属触媒による重合では連鎖移動剤は全く知られていない。本研究は、置換ポリアセチレンの合成において分子量を規制するために、連鎖移動剤の開発、連鎖移動剤による分子量の規制方法の確立、などを目的とするものである。 1.核置換フェニルアセチレンの重合における連鎖移動剤の開発 メタセシン重合では鎖状オレフィンが連鎖移動剤となる可能性がある。そこで、通常の条件では高重合体のみを生成し分子量規制の困難なオルト位にCF_3基をもつフェニルアセチレン(PA)の重合において種々のオレフィンの添加効果を検討した。その結果、トリメチルビニルシラン(TMVS)などの含ケイ素オレフィンが有効な移動剤となることが明らかとなった。例えば、モノマ-の1/5量のTMVSの添加によりポリマ-の分子量は約20万から2万へと約1/10に低下した。TMVSの有効性はケイ素の適度の電子供与性に帰することができる。一般に電子吸引性基を有するPAは連鎖移動を受けやすかった。この結果は、成長末端へのモノマ-の配位能力が、電子吸引性基が存在すると低下するためとして説明される。連鎖移動の結果TMVSがポリマ-末端に導入されることをIR、NMRなどにより確認した。 2.含塩素二置換アセチレンの重合における連鎖移動剤の効果 1ークロロー1ーオクチンの重合においてTMVSの効果を検討したところ、顕著な連鎖移動作用が観測された。種々のオレフィンの中で、含ケイ素オレフィンが特に有効であり、1ーアルケンもある程度有効であった。一方、モノマ-として2ーアルキンは連鎖移動を受けにくかったが、これは電子吸引性基が存在しないとモノマ-の配位能力が高いためと考えられる。
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