研究課題/領域番号 |
03205084
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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研究分担者 |
藤田 広志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
保田 英洋 大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 照射効果 / 超高圧電子顕微鏡 / 原子注入 / セラミックス |
研究概要 |
本研究は、世界に先駆けて、高エネルギ-電子線を用いた新機能材料創製の共通原理を解明すると共に、その手法を用いて新しい半導体材料や、各種非平衡材料の物性改善を行うことを目的とする。この手法によれば、非平衡相を所定の微小領域に生成することが可能であり、機能の高集積化を計ることができる。今年度は、当センタ-において独自に開発した電子照射効果による原子注入法を用いて、シリカ(SiO_2)および窒化珪素(Si_3N_4)にハフニウム(Hf)を強制注入する研究を行った。約1mm厚の板状SiO_2結晶およびSi_3N_4結晶から、機械研磨法とアトムシンニング法を用いて電顕用薄膜を作製した。それらの片面にハフニウムをスパッタ蒸着して、標的原子(Hf)/基板(SiO_2ならびにSi_3N_4)複合試料とした。電子照射は超高圧電顕を用いて、加速電圧2MV、照射温度170Kの条件で行い、ハフニウムが強制注入されていく過程を連続的にその場観察した。さらに注入に伴う構造変化を高分解能電子顕微鏡を用いて原子的尺度で観察した。その結果、(1)Hf/SiO_2ではまず最初に基板であるSiO_2が約60秒の電子照射によってアモルファス化する。引き続く照射によって、ハフニウムはこのアモルファス酸化珪素中に注入される。この注入領域ではHfO_2の微細(〜10nm)な結晶とアモルファス酸化珪素が混在している。(2)Hf/Si_3N_4ではハフニウムの強制注入により基板がアモルファス化する、ことが判明した。 以上より、こうしたセラミックス中へのハフニウムの注入は、基板構成原子との化学結合を媒介としながら進行することが明らかになった。
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