研究課題/領域番号 |
03205095
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山下 和男 広島大学, 総合科学部, 教授 (40034566)
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研究分担者 |
播磨 裕 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20156524)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大環状分子 / 有機薄膜 / 光電導 / ポルフィリン / 光ミセル電解法 / 画像形成 / 協同光電流効果 / エネルギ-構造 |
研究概要 |
(1)ミセル電解(EMD)法により作製した薄膜の電気的、光電気化学的特性の解明:有機分子固体膜の電気的、光電気的特性は膜を構成する分子の性質は勿論のこと、分子配列やパッキングなど膜構造によっても大きく影響される。EMD法で作製した有機薄膜は、そのSEM写真とX線回折像の解析および電気化学的測定の結果より顔料の1次粒子から構成された多孔質構造になっており、溶液浸透性があることが判明した。フタロシアニンEMD膜(0.18〜0.59μm)電極の電流ー電圧特性は、膜厚にほとんど依存しないシリ-ズ抵抗(10〜60Ωcm^2)と膜厚の増加とともに増大する交換電流密度によって特徴づけられる。真空昇華法によって作製した膜に比べて、フタロシアニンあるいはポルフィリンEMD膜の光電変換効率は1〜3桁高効率であることが分かった。またEMD膜のフィルファクタ-は大きく、比較的高い光強度においても効率が低下しないなどの特徴が見いだされた。これらはいずれも前述した膜の構造、溶液浸透性に起因することが明らかとなった。 (2)光電気化学反応を利用した有機薄膜作製法の開発:EMD法と光電気化学的手法の長所を取り入れた新して有機分子薄膜の作製法を開発した。この方法は、光エネルギ-を利用する過程の違いを基に便宜的に直接光電解法と間接光電解法に分類される。いずれの場合も光照射は、光マスクや光ビ-ムを用いて領域選択的に行う。この光電解法では任意の顔料を用いて、自由なパタ-ンの有機薄膜の作製が可能となる。 (3)有機分子固体のエネルギ-構造の解明:2波長光励起法を用いて有機分子固体のギャップ内準位などエネルギ-構造の解明を試みた。有機薄膜を異種の金属で挟んだショットキ型光電池をSoretバンドの可視光(第1光)と近赤外光(第2光)で同時照射すると、それぞれ単独照射したとき流れる光電流の単純和以上の光電流が流れる協同現象が観察された。これを解析することによるギャップ内準位を知ることができる。
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