研究課題/領域番号 |
03205096
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松浦 満 山口大学, 工学部, 教授 (60091211)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子井戸 / LOフォノン / ポ-ラロン効果 / 励起子 |
研究概要 |
超格子系など量子閉じ込めのある系は、電子状態の閉じ込め量子化や微細物質問の電荷移動した基底状態の現われ方、格子振動の量子化・折りたたみ効果など多様な物性を示し、新物質・新材料として研究は進行中である。 長汲長匹似により光学型フォノンモ-ドを計算すると、量子井戸系では、バルク型と界面型の2種類のモ-ドが存在する。電子状態に対してこの2種類のモ-ドは、影響を与えるが、系の幾何学的条件(井戸の大きさ等)や電子格子相互作用定数の大きさにより、その効果は異なる。量子井戸ワイヤ(2次元量子井戸)と1次元量子井戸で、最低エネルギ-状態に対するポ-ラロン効果を調べると、自己エネルギ-シフト及び質量補正の効果ともバルク結晶の場合に比較して、バルククモ-ドの効果は、井戸がポ-ラロン半径より大きくない場合はずっと小さく、格子振動の量子化が反映される。1方この場合は界面モ-ドの効果が重要になり、2つのモ-ドの効果を合わせると、井戸の大きさが大きくなるにつれ大きくなりバルク結晶の値に近ずく。井戸の次元では、2次元量子井戸の場合の方が、井戸が小さい場合により効果が小さくなる。また、電子と正孔から形成される励起子状態についても調べると、ほぼ上述の効果が反映されるが、井戸が小さくなると電子、正孔のポ-ラロン効果の打ち消し合いが大きくなり、バルクとは大きく異なった様子を示す。 また、系の光学的性質に大きな影響を与えるポ-ラロン効果の励起子への効果について一般的な立場から研究を行なった。従来の理論では、本質的に結合定数αの1次までで議論されてきたが、それでは不十分な場合があった。αの2次の効果まで入る定式化を行なった。計算の結果、基底(IS)及び励起(2S)状態についてタリウムハライドやPbI_2では、この定式化により初めて同一の定式化内で記述できた。
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