研究課題/領域番号 |
03205101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西野 憲和 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40145165)
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研究分担者 |
三原 久和 九州工業大学, 工学部, 助手 (30183966)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 機能性ポリペプチドの設計合成 / 立体構造構築 / αーヘリックス / 光誘起電子移動素子 / ルテニウム・トリスビピリジル錯体 / アントラキノン / ビオロ-ゲン |
研究概要 |
本研究は、タンパク質の高度な機能の本質、つまりポリペプチド鎖の立体構造とそれにより高度に配向化された機能団という特徴を化学的に模倣し、光電子機能材料の基盤となるポリペプチド性光電子機能分子モデュ-ルの組立を行うことを目的とする。本目的達成のために、分子レベルより立体構造制御したポリペプチドと光機能性官能団とのハイブリッドを設計、合成する。今回、光誘起電子移動能を有するトリスビピリジルルテニウム錯体ポリペプチドハイブリッドの設計合成を行なった。 設計:電子移動を可能とするポリペプチド分子素子の開発を目指し、両親媒性のαーヘリックスペプチドとトリスビピリジルルテニウム錯体により構築された超2次構造上にアントラキノンービオロ-ゲンを配置したハイブリッドペプチド1を設計した。ペプチドは、2分子膜に埋設することを考慮し、Leu,SerとAibよりなる両親媒性のαーヘリックス21ペプチドを設計した。21アミノ酸残基のαーヘリックス長は、リン脂質2分子膜の疎水部の厚さ(約30A)に相当する。本ハイブリッドにより形成されたヘリックスール-プーヘリック超2次構造上でルテニウム錯体からアントラキノンを介してビオロ-ゲンへの分子内電子移動を行わせることを期待した。合成:ヘキサペプチドを液相法により合成後、フラグメント縮合により21ペプチドとした。この21ペプチドのカルボキシル末端にNーアミノエチルーN'ープロピルビオロ-ゲンをWSCーHOBt法により縮合した後、2本のβーAla残基を有するトリスビピリジルルテニウム錯体とBOP試薬により縮合し、目的のハイブリッドペプチドを得た。コンホメ-ション:CDスペクトルより、1は、MeOHおよびSDSミセル中においてαーヘリックス構造をとっていることが分かった。光誘起電子移動反応:1を卵黄レシチンベシクル中に取り込ませ、光照射(λ>420nm)したところ、ルテニウム錯体(ー0.88V vs.SCE)からアントラキノン(E_<red>=-0.72V vs.SCE)を経てビオロ-ゲン(E_<red>=-0.42V vs.SCE)へ2分子膜透過型光誘起電子移動反応が認められた。ポリペプチド電子素子としての発展が期待される。
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