研究課題/領域番号 |
03205108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
緒方 直哉 上智大学, 理工学部, 教授 (40053574)
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研究分担者 |
渡辺 正義 上智大学, 理工学部, 助手 (60158657)
讃井 浩平 上智大学, 理工学部, 教授 (30053664)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光学分割 / 分離膜 / ポリ(アミノ酸) / 分子認識 |
研究概要 |
ポリ(Lーグルタミン酸)誘導体膜(NON6ーPLG)膜によるアミノ酸の光学分割において、膜のミクロ環境を変化させることにより、膜の高次構造と不斉選択性との関係について検討を行い、光学分割の機構を明らかにした。キャスト膜の高次構造は膜を熱処理もしくは塩処理することによって、再現性よく制御することができ、これによってアミノ酸の光学分割が再現性よく行われることを見出した。このように高次組織化したNON6ーPLG膜の光学分割の機構は膜中のポリ(アミノ酸)の螺旋構造による不斉選択吸着と、側鎖の高次組織に基づいていると考えられ、光学異性体の分子認識と分離の機構を調べた。NON6ーPLGをLB膜に展開し、D及びLートリプトファンの吸着による体積変化を調べた結果、L体のほうをより多く吸着するのに対して、D体のグルタミン酸から作成したNON6ーPDG膜ではL体のほうを多く吸着することが明らかとなった。また、水晶発振子上にNON6ーPLGをコ-トして、L及びDートリプトファン水溶液中に浸漬して、それぞれの吸着量の大きさを測定したところ、D体のほうがL体よりもより多く吸着されることがわかった。 トリプトファンを吸着したNON6ーPLG膜の蛍光スペクトルの測定結果から、トリプトファンはNON6ーPLG中の側鎖のPEO部と強く相互作用していることが明らかとなり、膜中を透過する場合にトリプトファンは高次組織化したPEO鎖のドメインを通って主鎖のPLGの螺旋構造によって分子認識が行われていることを確認した。一方、トリプトファンを吸着したNON6ーPLGのFTーIRスペクトルの結果からもPEO鎖の水素結合によるシフトが観察され、蛍光スペクトルの結果が裏付けられた。これらの結果から、NON6ーPLG膜によるアミノ酸の光学分割の機構が、主鎖の螺旋構造による分子認識に基づいていることが確認され、膜の高次組織による分離促進効果が明らかにされた。
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