研究課題/領域番号 |
03205116
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宗像 恵 近畿大学, 理工学部, 教授 (80090942)
|
研究分担者 |
前川 雅彦 近畿大学, 理工学総合研究所, 助手 (70229293)
北川 進 近畿大学, 理工学部, 助教授 (20140303)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 銅(I)錯体ポリマ- / 銀(I)錯体ポリマ- / 一次元鎖 / 二次元網目構造 / 金属錯体材料 / 材料化学 / 構造制御 / 錯体物性 |
研究概要 |
2,1,3ーベンゾチアジアゾ-ル(btd)を用いて一次元および二次元ネットワ-ク構造を有するCu(I)およびAg(I)錯体ポリマ-の合成に成功した。 (1)[Cu_2(btd)_2(CIO_4)]CIO_4.Cuにbtdのみで架橋された二次元ネットワ-クを有する錯体ポリマ-を合成することが出来た。対アニンのCIO_4^-は配位したものと配位しないものが1:1で存在しており、それに応じて4配位と3配位Cuが1:1で存在している。この二次元構造はほぼ同一平面上に存在する六員環Cu骨格を単位として構成されている。 (2)[Cu(btd)(HPO_3F)].btdとさらにHPO_3F^-の二つがCuに架橋した二次元ネットワ-ク構造を有する錯体ポリマ-が合成できた。この二次元構造も六員環Cu骨格を単位として構成されている。btd架橋とHPO_3F^-の結合距離が少し異なるため六員環Cu骨格は同一平面になく僅かに厚みを有している。 (3)[Ag(btd)(CIO_4)].Ag(I)のbtd錯体ではどのような構造をとるか興味がもたれる。Agにそれぞれ別のbtdのNが配位した一次元錯体ポリマ-であり、CIO_4^-がAgに弱く配位しているためNーAgーN角は166.6(4)°,144.3(4)°と大きく折れ曲がっている。ポリマ-鎖のbtdの間にπーπ相互作用(CーC=3.35A^^°)が存在する。しかし六員環Ag骨格を有する[Cu_2(btd)_2(CIO_4)]CIO_4しは全く異なる構造をとることがわかった。 以上述べたようにbtdはCu(I)及びAg(I)錯体ポリマ-を構築する上で極めて有用な配位子であり、金属及びアニオンによて、構造制御できることを初めて明らかにした。これら錯体ポリマ-では420〜500nmに強度の大きい吸収が観測された。適当な酸化剤を用いて部分酸化することができれば、伝導性が飛躍的に増大することが期待される。
|