• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

鎖間水素結合を利用した新規電導機構の設計

研究課題

研究課題/領域番号 03205117
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

三谷 忠興  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50010939)

研究分担者 中筋 一弘  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60028230)
岡本 博  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40201991)
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード一次元物質 / 電荷移動 / プロトン移動 / 分子設計 / 混合原子価 / 水素結合 / 電気伝導
研究概要

鎖間水素結合を利用した機能性分子集合体を構成する一つのモデルとして、[M(H_2DAG)(HDAG)]TCNQ;H_2DAG;diaminoglyoxime,M=Pt,Pd,Ni錯体を取り上げた。ここでは、Mおよび配位子から成る一次元金属鎖とTCNQアクセプタ-分子層によって二つの一次元電子状態が共存しており、その間に水素結合が介在している。二つの電子状態の酸化還元電位が均衡したとすると、その間に部分的電子移動が生じて、系は金属状態に転移するることが期待される。その際、電子ープロトン相互作用を通じて、プロトン格子は無秩序状態もしくは量子的融解状態に移行するだろうし、他方、伝導電子はプロトン運動の強い影響の下で特異な電導機構をもつようになると予測される。実際、この錯体の赤外吸収スペクトルには、部分電荷移動に特徴的なスペクトル構造が観測された。また、M=Pd錯体が通常の有機金属に近い大きな常温電気電導度を(約10 Scm^<-1>)をもつこと、M=Ni錯体の場合には、常温付近で金属的な振舞いが見られることが注目される。さらには、XPS側定結果によれば、低温では、金属(M)がII価とIV価の混合原子価状態にあり、常温になるとII価に相転移することが判明した。このような相転移はこれまで観測された例はなく、大いに今後の研究の発展が期待される。
以上のような実験事実から判断すると、このシステムにおいては、一次元鎖からアクセプタ-分子層への部分電荷移動が実現していることは明白であり、電子ープロトン相互作用を介した特異な電導機構が存在することを示している。現在、さらに、プロトンと電子が量子的に連動して運動する条件を満たすべく分子改良、とくに配位子の改良を進め、高温超電導の実現の可能性を追求している。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi