研究課題/領域番号 |
03205119
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
岩田 博夫 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室長 (30160120)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ハイブリッド型人工膵臓 / 膵ランゲルハンス島 / 糖尿病 / インスリン / 生体適合性 / 移植 / 血糖値 / 生着 |
研究概要 |
ハイブリッド型人工膵臓(HAP)とは、膵ランゲルハンス島(ラ島)を半透膜内に封入してから移植する方法である。本年度の研究成果を述べる。HAPの形状が、その人工膵臓としての機能に影響を与えると考えられる。同一素材5%濃度のアガロ-スを用いて、タブレット状、ロッド状、さらにマイクロカプセルを試作した。マイクロカプセル化ラ島を移植された糖尿病マウスは、移植後50日以上に犠牲死させるまで正常血糖値であった。一方タブレット状とロッド状では、移植後10日前後で血糖値は術前の高値に戻ってしまった。同一の生体適合性を持つ膜素で作ったHAPでも、その機能維持期間は形状で大きく異なることが明かになった。移植部 位に繊維芽細胞成長因子(FGF)等の血管新生を誘導する物質の投与を行い、血管新生を促進しHAPの機能低下を防止する試みを進めている。今回、FGFがラ島機能に与える影響を調べた。マイクロカプセル化ハムスタ-ラ島をFGF10ng/mlを含む培養液中で1週間培養を行い、その後糖尿病マウスに移植した。その平均血糖値正常化期間延長し42日であった。FGFの存在は、障害を受けたラ島の修復を促進し、HAPの機能維持期間を延長させる可能性を示唆した。犬を用いたHAP評価モデル系を確立するための研究を開始した。マイクロカプセル化ハムスタ-ラ島2万個を、糖尿病犬の腹腔内に移植した。移植後,3時間で血糖値は正常化し、その糖負荷に応答してインスリンを分泌していた。しかしながら、移植後2日目には血糖値が上昇た。移植後一週間目には、殆どのマイクロカプセルは大網に取り込まれ一塊となっていた。レシピエントとして膵全摘犬を用いることは問題ないが、ラ島のドナ-として、ハムスタ-を用いている限り、ラ島単離に多大な労力が必要でありまた動物費もかさむため研究は制約される。現在豚膵からのラ島の単離法の確立の研究を進めている。
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