研究分担者 |
三浦 一朗 京都教育大学, 助教授 (00199944)
中嶋 鴻毅 攝南大学, 国際言語文化学部, 講師 (40089884)
杉戸 清樹 国立国語研究所, 言語行動研究部, 第1研究室長 (10099913)
杉浦 勝 攝南大学, 国際言語文化学部, 助教授 (40097986)
大山 玄 徳島大学, 医学部・耳鼻咽喉科教室, 講師 (00223975)
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研究概要 |
平成元年度以来,次の事項を明らかにした。 1.人のリズム知覚にはholisticとanalyticな知覚の2つの形態があり,両者は神経心理学的に互いに異質である。前者は音節問隔が330ms以内の速いリズムに接したときの知覚方法であり,後者は450ms以上の遅いリズムを処理するときにみられる。 2.Listeningの際,人がechoic memoryに一時的に蓄わえるperceptual sense unit(以下PSU)の特定化に成功した。 3.人がspeakingの際,bufferに蓄わえ,一気に発話するproductive sense unit(PrSU)の特定化に成功した。 4.PSUとPrSUは互いに類似した性格をもっていることを実証した。 5.choic memoryのメカニズムの解明に成功した。 6.ジェスチャーと音声言語の関係をある程度解明した。 以上をふまえて,平成4年度は次の事項を明らかにした。 7.英語(stress timed),西語(syllable timed),日本語(mora timed)を素材にして,音声分析を行った結果,(1)どの言語も,そのPSUは330ms以内の間隔で結ばれた7±2以内の音節数から成る意味単位という共通の性格をもっていた。これはuniversal ej現象である。(2)日本語の音節の平均長は120〜150msであり,これを2倍にしても上記のholisticな知覚域におさまる。これがmoraという現象を生んだ原因と考えられる。(3)英語のように,音節長がバラバラな言語は,holisticな知覚域におさまっていても知覚しにくいので,PSUの末尾を音節を延ばしたりしてPSUの単位を示す。これがstress timedを生んだ原因である。 8.国語研究所のスタッフと討議を重ね,上記の研究の日本語教育への応用法を,8つの視点から掴え,国際シンポジアムで発表した。 9.4年間の研究成果を理論的に整備して筋のとおったものにし、近刊予定の研究成果報告書で開陳する。そのため、最低限度の図書が必要であったので購入した。
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