研究課題/領域番号 |
03209105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中井 信之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022529)
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研究分担者 |
小林 紘一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (70108637)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (10135387)
南川 雅男 三菱化成生命科学研究所, 生物社会地球化学研究室, 室長
小城 春雄 北海道大学, 水産学部, 助教授 (70113537)
杉山 達夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023453)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1991年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 安定同位体 / ^<14>C年代測定 / ^<13>C / ^<15>N / 野尻湖人 / 港川人 / 食性分析 / C4植物 |
研究概要 |
平成3年度は、日本列島に限らずモンゴロイドに関係する各地の試料の研究に拡大し、次の結果を得た。 1.シベリア内陸の新石器時代人の古人骨と近世シベリアの集団の ^<13>C・ ^<15>N食性分析から、前者は他地域のモンゴロイド集団より陸産肉食の傾向が強く、後者の集団でヒエ・アワなどC4植物の高依存度が認められた。 2.北アメリカ北西海岸インディアンのトゥリンギット族は、海産物の主食者であったが、現代人は陸産・海産物の混食であることが明らかになった。この結果、先史人と現代の採集狩猟民の食生態の違いを見いだした。 3.上記以外に、ネパ-ル・チベットなどの山岳遊牧民は植物と肉類に依存し、南米最南端のフェゴ島の先史人は日本の縄文化と同様に海産物と陸上資源を多彩に利用していたことをつきとめた。 4.南米チリの最南部のクエバ・デル・メディオ遺跡からの獣骨化石30試料の ^<14>C年代値は、11,120〜10,450年前と得られた。モンゴロイドが新大陸北米の北端に到達した今から12,000年前と比較すると、驚くべき短期間のうちに移動しこの最南端に居住したことになる。 5.沖縄港川遺跡から出土したイノシシの骨の ^<14>C年代を測定し、今から7,000〜8,000年前の値を得た。これは港川人の年代を知る上での重要な一資料となった。 6.野尻湖人の年代を確定するため、野尻湖層出土のナウマンゾウ・オオツノシカの36試料の年代測定の結果、今から約50,000〜35,000年前となった。このことから、野尻湖人は新人ではなく旧人であったと結論された。 7.現代の陸海食資源の安定同位体の詳細な研究結果・人類学的資料と上記の結果を総合してモンゴロイドの拡散について考察した。
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