研究課題/領域番号 |
03209206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70145225)
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研究分担者 |
小島 満 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30153539)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 形質人類学 / 頭蓋骨 / モンゴロイド / シベリア / 頭蓋形態小変異 / 顔面平坦度計測 |
研究概要 |
1.シベリアを中心とする環太平洋地域の先史時代から現代に至る集団の頭骨デ-タのデ-タベ-ス化を進めた。終了したのは、形態小変異の研究に用いた、18集団(1978例)、顔面平坦度の分析に用いた資料、22集団(1013例)である。Konigsbergの生物学的距離およびBalakrishnan & SanghviのBの2乗距離のプログラムを開発した。 2.頭蓋形態小変異の各項目の頻度をまとめ、分析した。その結果、Debets(1951)の分類、すなわち、極北型、バイカル型、中央アジア型の3型分類は妥当であることが確認された。ブリヤ-トが同じ地域のバイカル新石器時代人ではなく、東アジアの集団に類似することは、ブリヤ-トは後の時代に南から入ってきた集団であったことを推定させる。日本列島についてみると、現代日本人はこの北中国人を含む内陸の集団に近く、一方、縄文人ないし北海道アイヌに類縁性を持つシベリア、極東のモンゴロイドは存在しない。 3.顔面平坦度計測を行ない、比較検討してみた。シベリアの人々は基本的には極めて平坦な顔面をしているといえるが、詳しく分析すると2、3の小グル-ブに分化しているようである。一方、アメリカインデイアンの平坦性の少ない顔はヨ-ロッパの人々にほぼ匹敵する。日本では、顔面の平坦性において二つの対照的な集団が存在することが明らかになった。 4.極北の集団は極めて独特な形質を持っている。たとえば、鼻が高く、アム-ルの集団やエヴェンキのようなごく平坦な顔とは異なっている。頭蓋形態小変異の研究面では、カナダのオッセンバ-グの結果と同じく、極北の集団がアメリカインディアンに近いようである。 5.オホ-ツク文化の起源を求めるため、礼文島オションナイ砂丘遺跡、浜中2遺跡、などの人骨を分析し、北方モンゴロイド的特徴を、見い出した。
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