研究課題/領域番号 |
03210101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗城 真也 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (30002108)
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研究分担者 |
石橋 輝雄 北海道大学, 工学部, 教務職員
小西 哉 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70142750)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1991年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | SQUID / 酸化物超伝導体 / YBCO薄膜 / ジョセフソン素子 / 弱結合 / ステップエッジ結合 |
研究概要 |
本年度は、基板表面の段差を利用したstepーedge弱結合について検討し、YBCO薄膜SQUIDの作製を試みた。 1.MgOへき開stepーedge弱結合とSQUID MgO(001)へき開面に存在する段差を利用してstepーedge弱結合の作製を行った。光学顕微鏡下で適当な高さの段差を選択したのちSEMを用いたPMMAレジストの電子線露光と低電力のイオンミリングによりYBCOをエッチングしてブリッジに加工を行った。へき開段差弱結合の臨界電流は段差の存在により大きく減少し、YBCO膜厚が段差高さと同程度で電流密度Jc≦10^4A/cm^2であるような弱結合はShapiroステップなどジョセフソン特性を示した。IcRn積は4.2Kで数100μVのオ-ダである。つぎに、へき開面の段差弱結合を2個含むSQUIDを作製し特性を評価したところ磁場印加により周期的な変調特性が見られ、SQUUIDとして動作していることが確認された。変調電圧は24〜60μV(4.2K)であった。 2.基板加工stepーedge SQUIDステップ高さを制御するためにMgO研磨面を燐酸でエッチングして段差を形成し、その上にYBCOを成膜してstepーedge弱結合を作製した。なお、エッチング面の清浄化のために熱処理(大気中、1000℃,30min)を行っている。高さ180nmの段差基板上に200nmのYBCOを成膜して弱結合とし、接合幅7μm,ホ-ル寸法34μnのSQUIを作製した。IーV特性はへき開ステップのものと同じくジョセフソン的であり、IcRn(4.2K)積は0.28mVであった。Icの温度依存性は、Tc近傍で線形であり(1ーT/Tc)に比例する。また、電圧ー磁束特性は印加磁場に対し周期的であり、変調電圧は6μV(4.2K)と低いが、スム-ズな変調特性が35Kまで観測された。なお、IーV特性上のIc(T)から決まるTcは50Kである。以上の結果から、加工段差を用いたstepーedge弱結合により特性の良いSQUIDを作製できることがわかり、高温SQUID実現のための基礎技術が確立できた。
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