研究課題/領域番号 |
03210207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉崎 亮造 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70011137)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / Bi系高Tc相 / 磁束のピン止め / 高Jc化 / 不可逆曲線 / ピン止めエネルギ- |
研究概要 |
Bi系銅酸化物超伝導体の高Tc相(2223相)に焦点を絞り、磁束のピン止め機構の解明、およびこれと相補的な高温・高磁界に於ける磁束の挙動と不可逆曲線の機構解明について研究を行った。試料作製は通常の固相反応法を用いた。焼結体をさらに一軸性のホットプレスにかけ、密度が6.5程度と高く、配向したきわめて良質の試料を得ている。バルク試料のtransport Jcは77K零磁場で約10000A/cm^2程度ときわめて大きい。 磁束のピン止めエネルギ-の評価は残留磁化の時間滅衰を計測し、行った。ピン止めエネルギ-の分布をを実験的に求めることに成功した。2次元性の強いBi系超伝導体の磁場の印加方向に依存する磁束ピン止め機構の異方性、元素置換によるピン止めエネルギ-の分布の変化について細かい情報を得ることに成功した。これらの結果は他の測定結果をうまく説明できるものである。また、酸素欠損がピン止めに効かないことを実証した。 不可逆曲線の測定を行い、不可逆温度、不可逆磁場、J=Oの不可逆曲線を求めた。これらの結果はすべて酸化物超伝導体で成り立つとされている従来の関係式、H_r=a[1‐t]^n(n=1.5),(t=T_r/Tc、a:定数)ではなく、より広い温度で成り立つ一般的な関係式、H_rt=a[1‐t]^n、n【similar or equal】2〜2.5が成り立つことを示すことが出来た。元素置換による不可逆曲線の変化も実験的に捉えることが出来た。 超伝導磁化の可逆変化の部分の解析から、異方的磁場侵入長を決定した。また、臨界温度以上の領域の超伝導磁化の揺動現象を測定し臨界指数を求めることが出来た。これらの成果の殆どはBi系2223相の結果としては最初のものである。
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