研究課題/領域番号 |
03211101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
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研究分担者 |
中村 哲朗 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (20016819)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
小松 啓 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00108565)
小菅 皓二 京都大学, 理学部, 教授 (00025371)
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
65,500千円 (直接経費: 65,500千円)
1991年度: 65,500千円 (直接経費: 65,500千円)
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キーワード | 高温酸化物超伝導体 / 無限枚CuO_2超伝導体 / 新物質 / 高圧合成 / 人工超格子 / KosterlitzーThouless転移 / Hall抵抗 / 単結晶 |
研究概要 |
本研究の目的は(1)新物質、新組成の探索、(2)状態分析、微細構造解析と超伝導性、(3)単結晶育成と物性、(4)薄膜作製とその物性を検討することである。(1)に関しての最大の成果は無限枚のCuO_2層からなるSrCuO_2系で110KのT_cをもつ超伝導体を発見したことである。これは数万気圧の超高圧下で合成したもので、基本的には無限枚構造のACUO_2から一部Aイオンを取り去ったものと考えられる。SrのかわりにCaなどを置換すると体積分率の高い超伝導相が得られる。Srに一部La^<3+>を置換するとT_c=43Kの超伝導になり、これは3万気圧の高圧下の還元雰囲気中で得られた。La_<2ーx>Bi_xCuO_<4+δ>系の酸素量を電極反応によって酸化すると、超伝導の体積分率が飛躍的に大きくなった。また、BiーPb系超伝導(2223相)に、Baを添加することにより120KまでT_cが上昇した。(2)NQR、磁化率電気抵抗の測定から(La,Ba)_2CuO_4では酸素が抜けた部分は局所的に半導体的電子状態に転移し、いわゆる電子状態がミクロに相分離していることを明らかにした。(3)フラックス法により5mm程度のNdBa_2Cu_3O_<6ーx>単結晶を合成した。またいくつかの単結晶を用いて光学的な性質を調べた。(4)YBa_2Cu_3O_<6+x>の単位胞超薄膜や人工格子の磁場中の電気抵抗、VーI特性、Hall効果の測定により酸化物超伝導体の2次元性などの検討を行った。2次元超伝導である1単位胞YBCOのT_c(onset)は80Kで、転移幅はブロ-ドになる。転移幅の増大はKosterlitzーThouless理論によって説明されることをVーI特性の測定により確かめるとともに、Hall抵抗の測定により、渦ー反渦の存在を直接証明した。人工格子を用いて、CuO_2層間の相互作用は少なくとも24A^^゚以上離れると消失してしまうこと、ならびにYBCOの単位格子の最表面原子はCuO鎖であり、その上にBaO原子層を供給すると下のCuO_2層は超伝導に移転することを明らかにした。
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