研究概要 |
1.相補的塩基対形成および静電的相互作用による二点認識に基づいてグアノシンヌクレオチドとホスト‐ゲスト錯体を形成することができるシトシン修飾トリアミン(1)を感応素子とするPVC支持液膜型電極を作製し,それがグアノシンヌクレオチド(5'ーGMP,5'ーGTP)に対して選択性を示すことを明らかにした。対照化合物を用いた電極との比較から,ヌクレオチドに対する電位応答識別のためには,上記のような二点認識が必須であることが示された。 2.有機化合物を取り込みうる定まった構造の疎水性内孔を持つカリックス[6]アレンの長鎖アルキルエステル誘導体(2)を感応素子とするPVC支持液膜型電極を作製し,それが中性pHにおいてNH_3^+のα位に置換基を持たないβ‐フェネチルアミン型の一級アミン(例えばド-パミンなど)に対して選択的な電位応答を示すことを明らかにした。さらに^1HーNMRにより,上記の選択性がカリックス[6]アレン環へのゲスト取り込みに伴う形状識別に基づくものであることが支持された。 3.ラングミュア水槽中の水溶液上に展開した長鎖アルキル型シクロデキストリン(3)の圧縮単分子膜について,ホストーゲスト錯体形成に伴うマ-カ-物質の透過性変化を,水槽中でのin situサイクリックボルタンメトリ-により調べた。その結果,種々の有機ゲストの取り込みよるチャンネル入口の直接的ブロックにより,膜透過性の制御が可能であることが示された。
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