研究課題/領域番号 |
03215212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 有機金属錯体 / 炭素ー炭素結合 / 8族金属 / π共役系芳香族化合物 / 付加・脱離反応 |
研究概要 |
8族金属の有機金属複合系であるゼロ価ニッケル錯体への分子内に2個のハロゲンを有する芳香族化合物の付加・脱離反応より、炭素ー炭素結合反応を進行させ、種々の新規芳香族化合物を合成・単離した。得られる反応生成物は、反応に使用する有機分子のハロゲンの結合位置によって炭素ー炭素結合反応の生じる位置が制御できることがわかった。その結果、反応に用いる有機分子の選択によって環状3量体や環状4量体芳香化合物及び主鎖に沿ってπ共役系のつながった直鎖状の芳香族高分子化合物を任意に生成できることを明らかにした。さらに、上記の有機分子の金属錯体上での付加・脱離反応の中間体として金属に有機基であるアントリル基が結合した有機金属化合物を単離し、その構造解析を行った。 上記の反応により得られたπ共役系芳香族高分子化合物について分光学的手法(紫外ー可視吸収スペクトル、蛍光スペクトル、紫外光電子スペクトル、X線回折等)を用いて、それらの光学的特性を明らかにした。また化学的及び電気化学的酸化還元反応を行い、各々の化合物の反応特性について検討を行った。その結果、π電子欠如系芳香族化合物とπ電子過剰系芳香族化合物の炭素ー炭素結合反応が交互に進行することにより生成するπ共役系芳香族高分子化合物は、分子内での電荷移動が生じ、特異的な酸化還元反応が起こることを見い出した。さらに、8族金属の塩化鉄によるπ共役系芳香族高分子化合物の酸化反応について紫外ー可視吸収スペクトル測定を用いた反応速度論的考察を行い、その反応機構を明らかにした。
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