研究課題/領域番号 |
03215228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリゲルマン / 電荷移動反応 / ゲルマニウムーゲルマニウムσ結合 / (σ+π)反応 / 遷移金属触媒 / イオン化ポテンシャル / 光反応 / イオンラジカル |
研究概要 |
ゲルマニウムーゲルマニウムσ結合を有するポリゲルマンを合成し、そのσ結合の物理化学的性質を明らかにし、さらにその性質に基ずく新しい反応を見い出すことを研究の目的とした。(1)ポリゲルマンのエネルギ-準位とポリゲルマン鎖長とその関係;オルガノポリゲルマンのUVスペクトルを測定すると、吸収極大波長値はオルガノポリゲルマンの鎖長の増加と共に長波長側にシフトし、鎖長が30程度からほぼ一定の値となる。この説明としてGeーGeσ結合間の相互作用によりGe骨格に沿ってσ電子が非局在化し、HOMOのエネルギ-準位が昇位するものとして理解できる。(2)ポリゲルマンーTCNE電荷移動反応;ジクロロメタン溶液中、ポリゲルマンとTCNEの混合物の可視スペクトルを測定すると、電荷移動(CT)スペクトルが可視部に観測される。その吸収極大値はポリゲルマンの鎖長の増加と共に長波長にシフトする。得られた吸収極大値は、対応するポリゲルマンの第一イオン化エネルギ-値およびUVスペクトルにおける遷移エネルギ-値とそれぞれ非常に良い相関を示す。観測されたCTスペクトルは室温では比較的安定であるが、適当な条件では徐々に減少し、1,2ー付加生成物を与える。(3)GeーGe結合の関与する遷移金属触媒反応(σ+π)型反応;GeーGe結合はかなり多彩な反応を行う。その中の一つに遷移金属触媒存在下、ポリゲルマンの不飽和結合への挿入反応がある。Pd触媒存在下、ポリゲルマンはフェニルアセチレンを代表とするアセチレン類似体に容易に挿入反応を起こすことがわかった。
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