研究課題/領域番号 |
03215231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ケテンシリルアセタ-ル / 電子移動反応 / 一電子酸化 / ストップドフロ- / 分子軌道計算 / SOMO |
研究概要 |
昨年度、ケテンシリルアセタ-ルとαーエノンの反応がケテンシリルアセタ-ルからルイス酸への電子移動により開始されることを明らかにした。他の反応においてもケテンシリルアセタ-ルの一電子酸化の重要性が報告されているがこの化合物の一電子酸化の特性はまったく知られていない。本年度はまず向山反応との関連でケテンシリルアセタ-ルの酸化電位を求めることから始め,続いて分子軌道計算により電子移動反応機構の妥当性について検討した。 エノルシリルエ-テル類の酸化電位は通常の電気化学的手法で測定することは難しい、我々はストッブドフロ-法によりケテンシリルアセタ-ルを含む種々の有機ケイ素化合物の一電子受容体への反応速度を測定し、そのデ-タからRehmーWeller式に基づいて酸化電位を求めた。明らかにケテンシリルアセタ-ルは低い酸化電位を示し一電子移動がおこり易いことが立証された。 次にケテンシリルアセタ-ルとその一電子酸化により生成するラジカルカチオンの分子軌道計算(PM3)を行った。β一位に置換基を持たないケテンシリルアセタ-ルの場合にはその骨格は一電子酸化により大きく変化しないが、β一位にメチル基を有する場合にはラジカルカチオンになると炭素ー炭素結合が90度回転しSOMOのスピンはβ炭素上に局在することが明らかになった。 以上の結果からケテンシリルアセタ-ルのαーエノンとの反応がルイス酸をメディエ-タ-とする一電子移動で開始されると言う我々の提案は妥当なものであることが裏付けられた。
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