研究課題/領域番号 |
03216203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
南日 康夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10133026)
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研究分担者 |
大井川 治宏 筑波大学, 物質工学系, 助手 (60223715)
徳山 巍 筑波大学, 物理工学系, 教授 (40197885)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | GaAs / ショットキ-接合 / 界面欠陥 / 表面処理 / 硫化物処理 / 表面準位 / 水素感応性 |
研究概要 |
ショットキ-接合界面における欠陥の準位や密度を評価する為に、低温での電流一電圧特性を測定した。試料は、硫化物処理を施したGaAs(100)基板上に金(Au)を蒸着した、Au/S/GaAsショットキ-接合である。その際、蒸着時の〓射熱により基板温度が上昇しない様に工夫し、界面反応の影響を最小限に抑えた。その結果、硫化物処理表面では、従来の化学エッチング表面と比べて、界面準位を介して流れると考えられる、低温でのトンネル電流成分が著しく減少していることが判った。しかも処理表面では、ショットキ-理論から導出される理想特性からのズレが、アニ-ル後においても小さく、処理界面の安定性が明らかとなった。 さらに、金属の種類を変えた場合の硫黄原子の挙動を、GaAs(111)Aと(111)B基板を利用して調べた。蒸着金属はアルミニウム(A1)とパラジウム(Pd)であり、実験は高エネルギ-物理学研究所(KEK)において行った。Al/S/GaAs(111)A,Bの場合、(111)B基板では界面のS原子は規則正しく配列する事が、(111)A基板ではその位置がかなり乱れている事が、放射光光電子分光法やX線定在波法による実験から判った。これはA面とB面におけるSーGa結合の安定性の差によるものと考えられる。それに対し、Pd/S/GaAs(111)A,Bでは、共に、S原子位置の大きな乱れが観測され、S原子が表面に偏析している事が判った。すなわち、Pdの様に界面反応を引き越こし易い金属の場合には、硫黄によるGaAs表面の保護効果が弱くなる。 一方、これらの試料の電気特性に関する測定・評価も行っており、ショットキ-障壁形成時における、硫化物処理の効果や、界面構造と電気的特性との関係を多角的かつ総合的に考察し、モデルの確立を目指した。
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