研究分担者 |
常深 博 大阪大学, 理学部, 助教授 (90116062)
大橋 隆哉 東京大学, 理学部, 助手 (70183027)
山田 公 京都大学, 工学部, 教授 (00026048)
国枝 秀世 名古屋大学, 理学部, 助手 (00126856)
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
|
研究概要 |
0.1〜10keVのエネルギ-領域で集光力と解像力の優れた反射X線光学系と,エネルギ-・位置分解能の優れた2次元X線検出器の開発がX線望遠鏡の大きな研究課題である。本年度の研究成果について述べる。 1.反射X線光学系 超精密非球面加工装置による切削のみで鏡面基板の製作が可能になり,そのマンドレルからポリイミド樹脂のレプリカ反射鏡を作製した。多層膜あるいはICB蒸着法を用いた成膜によって従来にない高反射率を持つ反射鏡が製作された。ICB法ではSTMによるその場観察で成膜の基礎過程が明らかになった。多層膜を回折格子に成膜することにより高効率X線分光素子が開発された。 2.2次元X線検出器 衛星搭載用撮像型蛍光比例計数管が製作され,種々の環境試験及びシンクロトロン放射光によって性能が詳しく評価された。CCDは表面の絶縁層を極力薄くすることにより0.3keV以下において十分な効率が得られるようになった。GeのX線ボロメ-タ-は0.3Kまで冷却することによりX線の信号特性が確められた。 3.X線望遠鏡の総合性能評価 衛星搭載用多重薄板X線望遠鏡(口径35cm,焦点距離3.5m,反射面:金)が完成し,その焦点面に位置検出型比例計数管及びCCDを設置して,宇宙研平行X線光源(Al‐Kα,Ti‐Kα,Cu‐Kα)を用いて,集光力,結像性能が詳しく調べられた。その結果,可視光による測定結果と矛循なく,設計通りの性能を有していることが明らかになった。 結像性能(3分角(HPD))にはまだ改良が必要なため,将来の大型化を目指して非球面多重薄板X線望遠鏡の試作を進めている。
|