前年度において開発された一次精度の保存形式による流体計算プログラム(このコ-ドでは運動量保存則及びエネルギ-保存則は自動的に満たされる。)に、MICCG法を用いた自己重力計算プログラムを結合させることにより、自転するコアの非球対称な重力崩壊のシミュレ-ションを行なった。単純化した状態方程式の基にi)角運動量の値によって爆発のバネとなる内部コアの質量がどの様に変化するか、又発生する衝撃波の強さ、伝播がどの様に変化するか、 ii)角運動量分布による影響等を系統的に調べた。その結果重力崩壊、バウンスの様子は従来考えられたものとは大きく異なり、i)自転の効果によりジエット的流れが極方向に生じるが、バウンス初期においては球対称の場合と同様にまずホモロガス・コアが中心領域に作られ、それが跳ね返る。ii)やがてそのバウンスに伴いジエット的流れが生じるが、衝撃波が外に伝播するにしたがって球対称へと帰る。 iii)従来回転の効果は爆発を弱める傾向があるとされていたが、数値計算の結果は逆に回転が強いほどバウンスも強い。コアにトラップされるニュ-トリノ量によってバウンスがどの様に変化するか等についても研究が進行中である。 またプログラムを3次元に拡張する準備を進め、高精度の3次元流体計算コ-ドを作成することができた。現在それに重力計算のプログラムを開発、接続する研究を進めている。 なお この研究は大学院生、山田章一、友清理士の協力のもとに行った。
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