研究課題/領域番号 |
03219202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮澤 正顕 東北大学, 医学部, 助手 (60167757)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | レトロウイルス / 感染防御 / gag遺伝子 / 組換えワクシニアウイルス |
研究概要 |
ヒトレトロウイルス感染症に対する有効な予防ワクチンの開発を最終目標に、その最大の問題点であるウイルス被膜抗原の急速な変異に対処するため、より変異の少ないコア抗原による感染防御免疫の誘導を試みた。今年度はマウスに重篤な免疫不全症を伴う急性白血病を誘発するフレンド白血病レトロウイルスをモデルとして用い、分子クロ-ン化したコア抗原遺伝子及びその部分断片を発現する組換えワクシニアウイルスを使って動物を免疫することにより、感染防御免疫が誘導されるか否かを調べた。その結果、以下の諸点を明らかにする成果を得た: 1.フレンド白血病ヘルパ-レトロウイルスのコア抗原をコ-ドするgag遺伝子は、少なくともふたつの翻訳開始部位を同一の読み枠上に持ち、そのうち上流側のCTGコドンを含むようにこの遺伝子を発現ベクタ-に組換えた場合のみ、感染細胞表面にコア抗原が発現する。 2.フレンド白血病ヘルパ-ウイルスコア抗原を発現する組換えワクシニアウイルスを用いてマウスを免疫することにより、CD4陽性のヘルパ-T細胞が抗原特異的に感作される。 3.上記によってコア抗原特異的免疫能を獲得した動物は、フレンドウイルス複合体を接種すると一旦発症した白血病性脾腫が急速に退縮する。この際、コア抗原特異的に免疫された動物ではウイルス感染後IgGクラスのウイルス中和抗体の産生を認めるが、無関係な抗原で免疫された対照群のマウスはIgGクラスの中和抗体は産生しない。 4.gag遺伝子部分断片の発現実験から、感染防御に有効な抗原エピト-プはコア蛋白質前駆体N末のp15蛋白上に存在することが明らかとなった。 以上の結果を踏まえ、今後合成ペプチドを用いてp15蛋白上の抗原エピト-プを同定する実験を続けて行く予定である。
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