研究課題/領域番号 |
03219208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヒト免疫不全ウイルス / サル免疫不全ウイルス / エイズ / PCR / HIV / SIV / 分子進化 / 系統樹 |
研究概要 |
エイズウイルスの起源と伝播を解明するため前年度に確立した簡便な系統解析法を中心に、種々の地域のヒトやサルから分離されたエイズ関連ウイルスの解析を進めた。1.前年度ガ-ナから分離したHIVー2b(従来報告されているものと系統的に異なる)の分子クロ-ニングを行ない感染性DNAクロ-ンを作製した。このクロ-ンのenv遺伝子中に存在する機能的配列、rev反応領域(RRE)について、他のエイズ関連ウイルス及び成人T細胞白血病ウイルスのrexに対する反応性を調べたところ、従来型のHIVー2のものと同様の結果が得られ、機能的差異は検出されなかった。2.ケニア及びガ-ナのエイズ患者より分離したHIVー1について系統解析を行なったところ、欧米のような互いによく似た、すなわち最近分かれた株とは異なり、それぞれ系統樹上で独自の位置を占め、他のアフリカ株と同様比較的以前に分かれた株であった。日本の血友病の患者から分離した2株はいずれも欧米株の系統に属し、かなり最近分かれたウイルスであった。3.ケニアの霊長類センタ-で飼育されているアフリカミドリザルより新たに分離したSIV_<AGM>数株及び白王冠マンガベイより分離したウイルスSIV_<WCM>について系統解析を行なった。SIV_<AGM>は、HIVー1やHIVー2に比べて個々の株間の違いが大きいが、それでもSIV_<AGM>として1つの独立した群を形成していることが示された。SIV_<WCM>は、SIV_<AGM>の大きな群内にあって小さな亜群を形成するものと考えられた。 アフリカには、この他にもまだまだ多くの異なるタイプのウイルスが存在するものと考えられ、エイズウイルスの起源と伝播の問題を解明するためには、今後も同様の解析を地道に続けてゆかなければならない。
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