研究課題/領域番号 |
03219213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久保田 幸穂 熊本大学, 薬学部, 教授 (30040299)
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研究分担者 |
野原 稔弘 熊本大学, 薬学部, 教授 (30037600)
上田 勝 熊本大学, 薬学部, 教授 (80038231)
船越 崇行 熊本大学, 薬学部, 助教授 (90150549)
庄司 省三 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60040317)
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 抗エイズウイルス剤 / ミリストイル化 / ミリストイル化阻害剤 / コアタンパク質 / HIVー1 |
研究概要 |
タンパク質のアミノ末端グリシン残基に炭素数14個の長鎖飽和脂肪酸ミリスチン酸が酸アミド結合を介して共有結合することをタンパク質のミリストイル化と呼び、この現象は1982年にcAMPー依存性プロテインキナ-ゼに、はじめて見い出された。 Human immunodeficiency virus type 1(HIVー1)のヌクレオカプシドは種々の構成タンパク質によって構成されている。そのタンパク質のうちp17^<gag>タンパク質のアミノ末端にミリストイル基が結合していることが著者らによって見い出された。p17^<gag>タンパク質のミリストイル化がウイルスの組立に必要で、特に感染性ウイルスの出芽に必須ではないかと考えられている。そこで著者らはこのミリストイル化を阻害することによりウイルスの組立・出芽を阻止し、ウイルス粒子を未完成のまま感染細胞中に封じ込め、感染細胞のウイルスの出芽による破壊をくいとめ、しいてはエイズの発症を制御する事ができると考え、本研究を行なった。 ミリストイル化を阻害するには、はじめにミリストイル化を触媒する酵素に着目し、その阻害剤を合成するのが順当であるので、その阻害剤を酵素反応の機構を基礎に分子設計し、化合物を化学合成した。ミリスイトル化の阻害はHIVー1感染細胞を用いて調べ、ミリストイル化阻害効果のあった化合物の抗HIV活性を調べた。その結果、最も簡単な構造式を持った化合物Nーミリストイルグリシナ-ルジエチルアセタ-ル(NーMyrーGOA)は40μMの濃度でp17^<gag>タンパク質のミリストイル化を著しく阻害し、ウイルス産生を強く制御することが明かになった。
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