研究課題/領域番号 |
03219216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
高橋 秀実 日本医科大学, 医学部, 講師 (40221361)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | AIDS / ワクチン(サブユニット) / 特異的細胞障害性T細胞 / CTL / HLA / エピト-プ / HIV / ウイルス変異 |
研究概要 |
現在、エイズウイルス(HIV)が蔓延している最大の原因は、ウイルスに感染した無症候性キャリアとの性的接触の横行によることが判明してきた。通常キャリアの体内にはHIVに対する多量の抗体が存在するため、血液中ウイルス量は少なく、血液、精液、乳汁中のウイルス感染リンパ球が、感染の主たる媒体であると考えられる。従って、こうした感染を予防するためには、ウイルスに直接結合する抗体のみならず、ウイルス感染細胞ごとを障害しその中に潜むウイルスを排除するようなウイルス特異的細胞障害性T細胞(キラ-T細胞:CTL)をも誘導しうるワクチンを開発することが重要である。こうした立場から、中和抗体のみならずCTLをも誘導しうる様なサブユニットワクチンの開発を、米国国立癌研究所の協力を得て進めてきた。本年は、報告者らがこれまでにマウスの免疫系を利用して見いだしたCTLの認識部分(エピト-プ)が、実際にヒトに於いても主たるCTLのエピト-プであり、それが比較的広範囲の人種に認められる遺伝形質であるHLAーA2,A3と共にウイルス感染細胞上に提示され、特異的CTLによって認識されることを確認した。今後、更にどのようなHLA分子がこのウイルスエピト-プをCTLに提示するか詳細に検討することにより、エピト-プを用いた特異的CTLを惹起する方法を、ヒト及び報告者らが確立したマウスの系を用いて開発してゆきたい。また、このCTLエピト-プは、同時に中和抗体及びヘルパ-T細胞の認識部位であることが明らかとなり、サブユニットワクチンの最も重要な構成要素となりうると考えられたものの、ウイルスがこの部分を激しく変異させ免疫監視機構から逃れようとしているため、現在このウイルス変異を克服するような広範囲の障害活性を持ったCTLおよび中和抗体を惹起する方法を検討中である。
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