研究課題/領域番号 |
03223203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | クロスブリッジ / ミオシン / アクチン / 超沈澱 / コンフォメ-ション / 急速凍結法 / マイカ細片法 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
筆者は、筋収縮における『滑り運動の分子機構』を解明するための微細構造側面からのアプロ-チとして、種々の条件下における、そして最終的には滑り運動中のクロスブリッジの形態を電子顕微鏡で直接観察することを目標として研究を進めてきた。昨年度までに、主としてマイカ細片急速凍結フリ-ズレプリカ法を用いることによりアクチン・フィラメント(AF)に結合したミオシン頭部サグフラグメント‐1(S1)の形態が、硬直結合体においては細長くAFの軸と60度ほど傾いて結合しているのに対しATPを加えると短く丸まって見えることを示した。また重メロミオシン(HMM)の形態はスクレオタイドがないときは従来から知られているような洋梨状をしており、ATPを加えたりADPと無機バナジン酸によりATP分解経路中間体の長寿命アナログを形成させた場合には大部分のHMMの頭部は分子中央で強く曲がりしかもその屈曲方向がすべて一定であることを見いだした。一方、化学架橋したアクチン‐S1のネガティブ染色像を詳しく観察すると、ATPを加えない場合にはアクチンに架橋されたS1は細長くAFの軸と約60度傾いて結合しているが、ATPを加えると多くのS1が短くなり実は分子内で強く折れ曲がっていることが判明した。以上の結果は、クロスブリッジ(ミオシン頭部)がATP結合により分子内屈曲を起こすことを示す。今年度は、筋収縮の良い試験管内モデルであり実験に滑り運動を起こしていることが知られている超沈殿中のアクトミオシンの姿を観察することにより滑り運動中のミオシン頭部のコンフォメ-ションを調べた。その結果、アクチンと結合している状態が明瞭に観察されたすべてのクロスブリッジにおいて屈曲が認められ、ATP結合型のHMM頭部の形態に類似していた。このことから滑り運動中のミオシン頭部は恐らく、ATPまたはADP・Piを結合し、分子内で強く屈曲していることが推定される。
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