研究課題/領域番号 |
03223216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山田 武範 帝京大学, 医学部, 助教授 (50027330)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 分子モ-タ- / アクトミオシン / 滑り運動 / 核磁気共鳴 / アクチン / ミオシン |
研究概要 |
アクトミオシン分子モ-タ-は、ATPの化学エネルギ-を使ってアクチンとミオシン分子が互いに滑ることによって動く。従来、この滑り運動はミオシン頭の首振り運動によって起こるとされている。そこで、本研究ではアクトミオシンのどのような構造変化が滑り運動をカップルしているかを検討した。 ミオシンはATPを分解してえられる化学エネルギ-を滑りの運動エネルギ-に変換する。この時に起こるミオシン頭の構造変化を、うさぎ筋肉より調整したミオシン頭を使って高分解能核磁気共鳴装置により調べた。この結果、アミノ酸のレベルでその軽鎖およびその他の部位に局所的な構造変化が起こっていることが分かった。一方、ミオシン頭を酵素で処理するとこれが三つのドメインに切断され、それにともなってATP分解活性やアクチンとの相互作用に変化が起こることが知られている。そこで、この酵素処理によってミオシン頭にどのような構造変化が起こるかを高分解能核磁気共鳴装置を使って使べた。その結果、ミオシン頭を酵素処理するとそのル-プ領域に存在するいくつかのアミノ酸が遊離することが明かとなった。また、温度を変えてミオシン頭の構造の安定性を調べた所、その構造の安定性は酵素処理によって変わらないことが分かった。この事は酵素処理によってミオシン頭の全体的な大きな構造は変化しないことを示している。一方、in vitro運動系を使って酵素処理をしたミオシン頭を使った分子モ-タ-の運動性を調べたところ、酵素切断を受けたミオシン頭ではその運動性がほとんどなくなってしまうことが分かった。従って、滑り運動はミオシン頭の比較的局所的な構造変化によって起こっているものと推察された。 こうした実験から得られた結果をもとに、アクトミオシンの滑り運動とその分子構造のカップリングについて、別紙のように発表した。
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