研究課題/領域番号 |
03225205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河西 春郎 東京大学, 医学部(医), 助手 (60224375)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | レ-ザ-顕微鏡 / シナプス剤終末 / Ca画像処理 |
研究概要 |
研究実施計画に従い、海馬スライス標本の特に苔状線維にCa感受性色素を負荷した後、Ca上昇を捉える試みを行ったが、シナプスが小さく色素の蛍光強度を十分にあげることにまだ成功していない。備品として購入した防震台はシナプス電位を低ノイズで記録するのに有効に使用している。そこで、この様な困難を解決し、研究の目的を達成するために、脊椎動物のシナプスの中で格段に大きく、また扱い易い鶏胚毛様体神経節の杯型シナプスを用いることを試みた。この研究には、同じ重点領域の班員である八尾寛(京大)と共同で行った。その結果、この標本はCaイメ-ジングをするのに絶好の標本であることがわかった。Ca感受性色素は動眼神経の切断端より注入し、逆行性輸送によってシナプス終末に特異的に負荷した。こうして、動眼神経を吸引電極により一回刺激すると、その刺激に伴うCa上昇が観察された。現在まで、シナプス終末のCaイメ-ジングを行った研究は幾つかあるが、それらの標本では、Ca上昇を捉えるのには頻回刺激が必要で、実際にシナプス伝達の時間経過とCa上昇を直接対応させることのできる本実験系はこれが初めてである。この解析の結果、シナプス局所のCa濃度は刺激後2ミリ秒以内にピ-クに達し、その上昇は500ミリ秒程も持続することがわかった。また、頻回刺激を行うとこのCaの上昇は蓄積し、持続も数秒に延長した。更に、この標本のシナプス小胞をRH414でラベルしたところ、頻回刺激によってこの蛍光が減少し、小胞の放出を直接モニタ-できることも明かとなった。この様に、この標本はシナプス機能の研究に絶好であることがわかってきたので、今後更に、平均加算を用いた詳細なCa上昇の解析や細胞内CaストアからのCa動員の検討を行っていく予定である。
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