研究分担者 |
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30182140)
小野寺 淳 筑波大学, 地球科学系, 講師 (90204263)
佐野 充 日本大学, 文理学部, 助教授 (00130518)
葛西 大和 山形大学, 教養部, 教授 (20033178)
松井 秀郎 立正大学, 文学部, 講師 (80147933)
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研究概要 |
日本の近代化過程におけるさまざまな人間活動の様相の急激な変貌を,環境変化の要因として適切に評価できるようにするため,各種産業の変動,流通システムの発達,都市化の進展,および自然改変技術の進歩などの状況を的確にとらえ,その結果を明解に表示することをめざして,研究を進めた. 農業および農村地域に関しては,1989年から100年間の主要農作物の作付面積と生産数量の変動および農業近代化の指標としての耕作機械の数量の推移を分析し,その様相を都道府県単位で地図化した.鉱工業に関しては,とくに土地自然環境を大きく改変するものと目される金属・非金属鉱業をとりあげ,明治前期における主要鉱山の空間的分布とその後の生産の動向を明らかにし,図化作業を進めた.都市に関しては,明治期以降120年間の都市域の拡大と人口分布の変動を分析するため,全国の人口2.000人以上の都市について,各種地図・統計類をもとに,基準メッシュによる都市デ-タベ-スを構築する方法を検討した.流通に関しては,近代化開始期においてその重要な推進力であった沿岸・内陸水運の実態の解明と,第一次大戦後の経済成長を支えた鉄道による貨物流動活発化の状況の把握を行った.前者については,1890年における全国の船舶(50石積み以上)の分布を市郡別に明らかにすることに成功した.また後者については,42貨物品目に関する都道府県別起終点行列を用いた空間的流動パタ-ンの解明を通して,考察できた.これら社会・経済活動によって土地自然環境が改変されるインタ-フェイスである自然改変技術のうち,各種用地開発に伴う地形改変のパタ-ン・規模・強度を大きく変える要因となった大型建設機械の進歩・普及状況を復元・検討し,すでに明らかにしている地形改変規模・強度の経年変化とあわせて考察した. これらの成果は,いずれも1992年2月29日の本重点領域第3回公開シンポジウムで発表したほか,一部は1991年8月の環境変化と地理情報システム国際会議でも講演した.
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