研究課題/領域番号 |
03228119
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
東海 明宏 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90207522)
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研究分担者 |
植田 和弘 京都大学, 経済学部, 助教授 (20144397)
中村 正久 滋賀県琵琶湖研究所, 専門研究員
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 比較リスク学 / 環境リスク / リスク / 高密度社会 |
研究概要 |
本研究では、(1)地下水硝酸性窒素汚染のリスクにかかわる情報の関連主体間の授受の過程の分析および、(2)頻度、発生場など異なるいくつかの環境リスク事例の比較リスクの脈絡での整理に関して、次に示す検討を行った。地下水硝酸性窒素汚染についての事例としてK市地下水汚染の発覚、実態調査、影響発現にいたるメカニズムの分析、対応のプロセスの変遷を時系列的に関連主体間での情報の授受について要約し、何点か特徴をひきだし、リスクの処理として“リスク封じ込め"型の対応として結論づけた。事例としてはやや異なるが、物質系リスクの評価事例としてアメリカにおける果実に残留する農薬のリスク対応との対比も行った。環境リスクの比較分析については環境関連の技術者へ33の環境リスク事象に対するアンケ-ト調査をもとに考察した。これらの33のリスク事象は災害分類、それらが発生している環境場、現在の社会システム上の対応類型からいずれの類型にもなるべく該当するよう選びだした。日常生活においてリスクをもたらす事象への認知構造を支配すると考えられる生活利便感、環境依存感などの面から比較分析をした。リスクが生起する典型的なパタ-ンとして、エネルギ-・物質の漏洩構造と人間の側の平均的な行動を想定した設計であるが故のそれからの乖離的な行動の同時生起に起因するという枠組みにより空間に内在するリスクを構造的に整理した。先に示した対象者に発生頻度、身近感、有用感、危険感、制御性、自己原因性、環境依存感に関する回答を集計、分析しさらに評点化して分析をおこなった。各リスク事象に対し、評価軸をいくつか組合せながら、受容ー拒否の分布、利便性ー環境依存感などについて考察を加えた。その結果、広域認知環境(経験では触知しがたい環境)で生じているリスクはとくに情報提供も不十分で、利益よりも危険感が強くもたれやすい傾向を有していることが判明した。
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