研究課題/領域番号 |
03228128
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
竺 覚暁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30064447)
|
研究分担者 |
札野 順 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (90229089)
清水 慶一 国立科学博物館, 理工学研究部, 研究官 (20154289)
山本 真一 埼玉大学大学院, 政策科学研究科, 助教授 (10220469)
若林 宏明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90011056)
手塚 晃 金沢工業大学, 工学部, 客員教授 (70125889)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 先端科学技術 / パブリック・アクセプタンス / 社会的受容 / 原子力 / 技術の制御可能性 / 日本語ワ-プロ / ファクシミリ / ヒトゲノム解析 |
研究概要 |
本研究は三年間の研究を行う予定で、平成三年度は以下の基礎的研究を行った。 竺は日本の原子力技術のパブリック・アクセプタンス(以下PA)について歴史的吟味を行った。即ち、現在の原子力技術の問題は、1)安全性、2)負の影響の不可逆性、3)廃棄物の処理法、4)軍事利用の可能性、の4点に整理でき、これらは日本の原子力利用が始まった当時既に認識されていたが、以来40年を経過しても解決されていないことを指摘した。それ故、大衆は原発の必要性を理解しているが、原子力技術と管理に負の評価を与え、原発縮小・全廃が過半数を占め、全面的なPAのないことを示した。また、一般に科学技術のPAを損なうのは情報の隠蔽と操作であり、原子力技術の真のPAには情報の公開と討論が必要であることを再確認した。若林は原子力技術を例に、PAにおいて重要な三条件が1)安全性と経済優位性、2)大衆の開発参加性、3)負の効果の制御性であるという仮説を提唱した。手塚はPAの重要問題は、当該技術の制御可能性であることを提唱し、それを実証するためのチェック・リストを作成した。また、PAの前提条件は、大衆の科学技術者に対する信頼であることを指摘し、これを調査するための方法を考察した。山本は電子技術が市民に与えた影響という観点から、特に個人の情報整理・知的生産におけるワ-プロの出現とその普及を分析した。清水はファクシミリが個人の通信手段として他国に先駆けて日本の社会に受容された原因についての分析を始めた。札野はヒトゲノム解析に関する大衆意識の実証調査の第一段階として、大学生を対象にアンケ-ト調査を行い、原子力等他の先端科学技術に比べヒトゲノム解析の認識が非常に低いことを明らかにした。また、解析計画の推進について、大学生は消極的で、特に経済的利益を目的とした計画の推進には反対が多いことが分かった。
|