研究概要 |
1.「新しい情報通信技術が経済成長と最終需要に与えた影響の計測」を行った。対象期間は'75年から'85年。電子計算機技術、電気通信技術、ロボット技術、新しい自動車生産技術の技術進歩が国民経済に与える影響を計測すると、1975年以降、新しい情報通信技術の発達がなかったとすると、'85年の実質GNPは実際の値より16.4%程低い水準にあったことになる。このうち7.5ポイントがFAの効果であり、6.6ポイントはOAの効果である。(第4群合同シンポジウム報告書、研究発表栗山、Oniki,Oniki&Kuriyamaを参照)。 2.産業連関表の時系列整備を行った。産業分類を53部門とし、昭和50,55,60,62年の実質産業連関表(昭和60年価格)、産業別職業別雇用マトリックス(53産業x46産業)を作成した。産業を53部門とする、昭50,55,60年の,資本形成行列を作成した。 3.わが国の「電気通信産業(テレコム産業、電話産業)におけるインフラストラクチュアの形成」の経過を跡づけた。1980年代のはじめまでは、常に積滞(超過需要)が存在し、この超過需要の存在は、常にわが国の電話インフラの建設の「牽引車」の役割を果たしてきた。「加入者債券」のシステムは戦後日本の電話ネットワ-クの建設を加速させるために貢献した。(第4群合同シンポジウム報告書、研究発表鬼木を参照)。 4.「情報社会論再考ー経済的な側面を中心としてー」従来の情報化社会論を「情報社会論」対「高度情報社会論」・「MachlupとPoratとの差異」・「経済性の変化」・「情報の専有価値と共有価値」・「情報(社会)のパラドクス」の諸点に関して、経済的な側面から考察した。(研究発表大平を参照) 5.従来の情報関連の研究を取りまとめた。(研究発表栗山、Oniki,Oniki&Kuriyamaを参照)
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