研究課題/領域番号 |
03230113
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (50093828)
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研究分担者 |
竹村 恵二 京都大学, 理学部, 助教授 (00201608)
成瀬 敏郎 兵庫教育大学, 教授 (60033510)
竹内 貞子 斉藤報恩会自然史博物館, 研究員
山野井 徹 山形大学, 教養部, 教授 (00111328)
日比野 紘一郎 宮城農業短期大学, 教授 (10004417)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1991年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
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キーワード | 気候変動 / 植生変遷 / ボ-リング / 湖 / 湿原 / 不攪乱堆積物 / 花粉 / 珪藻 |
研究概要 |
平成3年度は福井県三方湖湖底、水月湖湖底、黒田湿原、鳥取県東郷池湖底、愛知県長者平湿原、秋田県横手盆地、福岡県遠賀川低地に機械ボ-リングを実施し、連続不攪乱堆積物を採取した。あわせてボ-リング地点周辺の地形・植生・土壌調査を実施した。三方湖では湖の中心部から106mのコアを採取した。水月湖では11mのコアを採取した。ともにきわめて安定した堆積環境のもとで形成される縞状ラミナが検出された。ラミナの厚さは平均1mm前後で、明瞭な白黒の縞模様を持っていた。白い部分は珪藻の集合体で、春先から夏に、黒い部分は秋から冬に形成されたものであることが判明した。北欧の氷縞粘土の対比すべくわれわれはこれを湖縞粘土とよぶことにした。この湖縞粘土を丹念に分析することによって、一年単位のみでなく季節単位の気候変動や植生変遷が復元できる可能性がでてきた。この湖縞粘土中の古地磁気、火山灰、花粉、珪藻、ダスト、プランクトン、地球化学、年代測定などの各種分析を目下実施中である。文明の盛衰など人間のいとなみと環境変動のかかわりを解明するためには、できるかぎり細かな環境復元が必要である。その意味において、三方湖と水月湖の堆積物はきわめて魅力ある結果をもたらすものと期待される。それ以外の平成3年度に採取した試料についても、同様に各種分析を実施中である。 (日本列島の気候変動・植生変遷と比較する上で文部省国際学術研究の援助を受けてトルコ・シリアのボ-リング調査を実施し、良好な堆積物を採取することに成功した。) これらの平成3年度に採取した堆積物の各種分析により、気候変動と植生変遷について、新事実の発見があるものと期待される。
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