研究課題/領域番号 |
03231213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 正 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029442)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ピコ秒分光 / 溶媒和ダイナミクス / 振動緩和 / 余剰振動エネルギ- / 電子移動速度 / 過渡効果 / 自由エネルギ-差 |
研究概要 |
1.分子内光誘起電子移動過程における極性溶媒の溶媒和ダイナミクス “Microsymposium on Diffusion and Relaxation Processes in Solution"Kyoto,Nov.5ー6 1991で発表した。 2.ビフェニレン、クリセンの励起状態における溶液中の振動緩和過程 時間分解吸収スペクトルの形状変化を解析して、余剰振動エネルギ-を持ったS_1状態のcooling過程を調べた。溶媒への振動エネルギ-の流れは少なくとも1000cm^<-1>までは余剰振動エネルギ-に比例する。 3.蛍光消光反応の過渡効果の解析による分子間電子移動消光速度定数の決定。 定常光励起による蛍光の消光測定では、真の消光(電子移動)速度定数は拡散過程により隠されてしまい実測することが出来ないため、アセトニトリル中の蛍光減衰曲線の過渡効果を解析して、拡散律速反応速度定数より速い電子移動速度定数を、種々の蛍光剤と消光剤の組み合わせについて自由エネルギ-差が0.37eVから2.21eVまでの範囲で決定した。測定結果を吟味した結果、自由エネルギ-差が十分大きな領域においても電子移動速度はあまり小さくならず、ここで調べたエネルギ-領域では所謂ベル形の依存性は示していないと結論できる。この研究で用いた系では電荷再結合過程はこの領域でベル形の依存性を示しており、電荷分離過程と電荷再結合過程における電子移動速度の自由エネルギ-依存性は、通常の理論で予測される結果と異なっているように考えられる。溶液中の電子移動反応速度は、個々の蛍光体と消光剤との間の距離や配向、および周囲の溶媒の溶媒和状態に依存した電子移動に関する相互作用の大きさによって決まると考えられるから、過渡効果の解析から得られた実験値も、上に述べたような意味で近似的な速度定数と考えられる。
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