研究課題/領域番号 |
03231215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40039285)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 反応中間体 / ヘテロ二核金属ポルフィリン / 水銀(II)ポルフィリン / EXAFS / 反応速度 |
研究概要 |
溶液内で短寿命反応中間体として生成するヘテロ二核金属ポルフィリン錯体(ポルフィリン1分子に異なった金属イオン2分子が同時に結合した錯体)の生成の機構を、反応速度の立場からまた金属錯体の溶液内構造をX線吸収微細構造解析法(EXAFS)から研究した。1.反応速度の研究2個の水銀(II)がポルフィリンに結合した2:1ポルフィリン錯体と亜鉛(II)や銅(II)との反応で、二段階反応やラッピドスキャン法によるスペクトルの変化より、反応中間体の生成をはっきりと確認することができた。また二段目の反応の速度式は銅(II)や亜鉛(II)及び水銀(II)に依存せず、中間体は1分子反応で解離することが示された。反応中間体の生成は2:1水銀(II)ポルフィリン錯体からの1分子の水銀(II)の解離が律速段階であることが分かった。水銀(II)ポルフィリンと銀(I)との銀応は、まず両方の金属イオンを同時に含むヘテロ二核金属ポルフィリン錯体を生成し、ついで水銀(II)が脱離して銀(I)ポルフィリン錯体が生じ、銀(II)イオンに酸化されるという、3段階の過程で進行することも反応速度の研究より明らかになった。2.EXAFS法 0.1M水銀(II)ポルフィリン錯体溶液中で水銀(II)イオンが銅(II)イオンと置換する反応について反前後の溶液のEXAFS彩定を行った。その結果によれば、HgーN(ピロ-ルの窒素)の距離は215pmであり、アクア水銀(II)イオンのHgーOの距離(240pm)より非常に短くなっていることが分かった。一方水銀(II)ポルフィリン錯体に結合している水分子は257pmと長くなっている。水銀(II)ポルフィリン錯体の生成によって、非常に強いHgーN結合が形成され、水銀(II)ポルフィリン錯体はかなり歪んだ構造をとっており、銅(II)イオンとの反応によって、ポルフィリン錯体は大きな構造変化が起こることが示された。
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