研究課題/領域番号 |
03231216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 分光電気化学 / Inーsitu測定 / タンパク質 / 不安定中間体 / In_2O_3電極 / 複核金属錯体 / 細胞膜モデル / チオ-ル系単分子膜 |
研究概要 |
Inーsitu分光電気化学法を用いて、電極表面上の化学種、不安定化学種、電極反応を利用して生成させた電極近傍溶液中の化学種などの分子レベルでの情報を得ることを目的として、下記の結果を得た。 1.機能性光透過電極を用いた金属タンパク質の分光電気化学測定:本研究では、既にチトクロムcの電子移動に続いて生じるタンパク質の構造変化についてミリ秒レベルのダイナミクスの測定に成功している。本年度、酸素貯蔵・運搬機能を有するミオグロビンの明瞭なレドックス波の測定をIn_2O_3電極上で可能とし、そのinーsitu分光電気化学測定からnativeなミオグロビンの応答であることを示した。また、電子移動に伴う化学反応過程のダイナミクス測定への道を開いた。 2.機能金属錯体の不安定中間体の分光電気化学測定:複核錯体の混合原子価状態の不安定化学種の存在をスペクトル的に証明するため、[Ru_2(μーCH_3COO)_2(μー0)(Py)_6]^<2+>について検討し、2つのRu原子に対して(IIIーIV)および(IIIーII)の混合原子価状態のスペクトル測定に初めて成功した。すなわち、Ruのdπ軌道と酸素(μー0)のpπ軌道の相互作用による電荷移動吸収帯が(IIIーIII)の安定錯体の場合の583nmから(IIIーIII)および(IIIーII)錯体ではそれぞれ505,602nmにシフトすることが明らかになった。また(IIIーII)錯体形成過程でさらに不安定な中間状態の存在の可能性も示された。 3.電極上の化学種のinーsitu分光電気化学測定:電極上のタンパク質の吸着状態、細胞膜モデルのおける電子伝達機能分子の存在状態、チオ-ル系機能分子の単分子膜形成における集合状態変化などについてinーsitu面局分光電気化学的手法を用いて検討し、機能分子の配向性や自己集合性分子の疎水性相互作用による集合状態などを明らかにした。
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