研究課題/領域番号 |
03232210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
渋谷 秀敏 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (30170921)
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研究分担者 |
林田 明 同志社大学, 工学部, 助教授 (30164974)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 古地磁気 / 深海掘削計画 / 地磁気変動 / 深海底堆積物 / 地磁気逆転 |
研究概要 |
ODP124次航海のSite768の試料768B10H2 80cmー150cmとSite769の769B9H3 50cmー150cmの試料について詳細な古地磁気測定を行なった。この層準は船上の測定で短い地磁気イベントが見つかっているところで、時代的には松山逆転エポック中のハラミヨイベント以降の部分に当っている。この時期の短い正磁極イベントは、いくつか報告があるが、その性格は、明らかではなかった。そこで、この部分のUチャネルサンプルを手に入れて、できるだけ細かい測定をして、得られた磁化の逆転が、本当に地球磁場に起因するものであるか確かめることとした。詳細な測定のためには、細かい間隔でパススル-測定を行なうのと、試料をできるだけ薄く切り出すのと、二つの方法を検討した。パススル-測定は、消磁法の制約から、この試料の古地磁気研究には適当ではないが、124次航海で船上で取られた逆転部分の詳細なパススル-測定デ-タを生かすために、パススル-測定デ-タから試料の各部の磁化を推定する方法(デコンボリュ-ション)の計算法の改良のための実験を行なった。その結果、我々はベイズ統計に基づいたデコンボリュ-ション計算法を開発して、現在論文を投稿中である。薄切りの試料は治具を製作して厚さ5mm程度切り出すことに成功した。パイロットサンプルとして5cm毎の試料を半分に切り、段階交流消磁、段階熱消磁を行なった。その結果、やはり熱消磁が二次磁化の影響を避けるのに有効であることが分かったので、現在残りの試料を一つおきに熱消磁実験を進行中である。終了したものだけを見ても、この試料の磁化は確かに逆転しており、二つの試料の年代が近いことから見ても地球磁場の逆転を記録している可能性は大きい。今後、全試料の消磁が終了すれば、この逆転の性格を明らかにすることができるであろう。
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