研究課題/領域番号 |
03232212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
水谷 仁 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 教授 (00011578)
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研究分担者 |
早川 雅彦 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助手
山本 哲夫 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助手
藤村 彰夫 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助教授
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 地球中心核 / レイリ-・テイラ-不安定 / 初期地球 / 数値シミュレ-ション / マグマオ-シャン |
研究概要 |
地球の中心核の形成は地球史上もっとも大きな事件であったが、その様相はもっとも不十分にしか理解されていない。本研究では地球の中心核の形成過程を明らかにするために、前年度作成したプログラムをいくつかのモデルについて実行した。このモデルは最近の地球形成過程についての数値実験より予想されている内部構造を反映したものであり、冷たい硅酸塩に富んだプロトコア、金属鉄の中間層、その上に硅酸塩のマグマオ-シャンがあるというものである。マグマオ-シャンからは比較的速やかに金属鉄と硅酸塩の分離が起こるために、冷たいプロトコアに積み重なる鉄の層は、地球集積と平衡して出来るものと思われる。これらのモデルについての計算から、以下のような結果が得られた。 その一つはこれまで解析的に調べられていたレイリ-・テイラ-重力不安定のもっとも急速に進むモ-ドは1=1のモ-ドであるが、それに引き続いて1=2以上のモ-ドが進行し、鉄の巨大な玉が作られることが発見された。この鉄の玉が冷たいプロトコアに侵入し、金属鉄と硅酸塩プロトコアの入れ替えが起こる。 この金属鉄と硅酸塩プロトコアの入れ替えが起こる時間はプロトコアの粘性率に比例し、金属鉄の層の厚さ2/3乗に逆比例する。これから地球のコアを10億年以内に完成させようとすると、プロトコアの粘性率は10^<25>Pas・s以下でなくてはならないことが判明した。プロトコアの粘性率を現在のマントルの粘性を基にして推定すると、これは1025Pas・sよりはるかに大きなものになるので、地球のコア形成過程ではなんらかの実効的粘性率をさげるメカニズムがあったに違いない。その一つはコア形成に伴うエネルギ-解放がプロトコアを熱し、粘性率を下げた可能性、もう一つは大きな歪速度を持つ場合は硅酸塩の流動則がかわり、実質的に小さな粘性率になっていた可能性である。
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