研究分担者 |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
広部 雅昭 東京大学, 薬学部, 教授 (20012594)
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
西口 郁三 大阪市立工業研究所, 研究副主幹 (20026347)
玉尾 皓平 京都大学, 工学部, 助教授 (60026218)
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研究概要 |
1.Hypervalentな有機典型金属化合物の合成と構造・電子状態の研究5員環を形成しhypervalentな化合物を安定化する効果がある2座配位子および8員環の1,5ー渡環相互作用による5員環の形成を用いて,アンチモンおよびビスマスを中心原子とする種々の有機超原子価化合物,10ーMー4,10ーMー5,10ーMー6を合成し,それらの構造を ^1H, ^<19>FーNMR及びX線構造解析により明らかにした(秋葉)。3個のフッ素を配位子にもつ5配位ケイ素化合物の構造をX線回折により正確に決定するとともにフッ素を架橋配位子とするビスシリカ-トの溶液中における開環体との平衡および固体状態の構造との比較により,超原子価ケイ素の特性を明らかにした(玉尾)。超原子価を持つスズア-ト錯体がプロスタグランジンの合成の鍵中間体であることを証明し,その誘導体の結晶化に成功した。スズア-ト錯体の固体および溶液中の構造を詳細に解明した(野依)。 2.合成反応への展開 高配位ケイ素化合物を系中に発生し,合成反応に応用することは多くの研究があるが,無置換で極めて活性の高い1,3ー双極子を発生させ,種々の付加環化反応を展開した(細見)。ヘテロ原子をLewis酸により活性化し,極めて多様な合成反応への有用性を示すとともに,電極反応と比較検討した(西口)。Hypervalentなスズア-ト錯体の合成反応における有用性を明確にし,発展させた(野依)。 3.生理活性化合物への展開 Hypervalentな硫黄原子を骨格の中心にもつチアチオフテン形環状化合物が光化学系Iにより1電子還元をうけ,その電子を酸素分子へ授与してス-パ-オキシド(O^<【.radical anion.】>_2)を触媒的に生成することを明らかにした。極めて顕著な活性酸素増産剤として関心をもたれる新規物質群を創製している(広部)。
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