研究課題/領域番号 |
03233201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荻野 博 東北大学, 理学部, 教授 (00004292)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シリレン錯体 / シリリン錯体 / ゲルミレン錯体 / シリレン架橋鉄二核錯体 / シリリン架橋鉄二核錯体 / ゲルミレン架橋二核錯体 / 幾何異性化反応 |
研究概要 |
本年度はシリレン、シリリン、ゲルミレン錯体の各分野において研究の進展があった。以下にこの順で成果をまとめる。 1.シリレン錯体ではアミノ基が2つのケイ素を架橋したビス(シリレン)錯体の合成に成功した。現在構造解析および反応性の検討を行っている。また架橋シリレン鉄二核錯体のcis‐trans幾何異性化反応の速度論研究を行った。その結果から従来広く受け入れられてきた末端シリレン錯体を経由する異性化機構は妥当でないことを示し、架橋シリレン錯体を経由する異性化機構を提案した。また2つの鉄原子を2つのシリレン配位子で架橋したビス(シリレン)鉄二核錯体の結晶構造解析を行うと共に、この錯体が光幾何異性化反応を行うことを明らかにした。 2.ハロゲンが置換したシリレンを架橋配位子とする鉄二核錯体とN‐メチルイミダゾ-ルあるいはジメチルアミノピリジンとを反応させることで、これらの塩基がシリリン配位子に配位した初めての陽イオン性シリリン架橋鉄二核錯体の合成に成功し、さらにそれらの結晶構造解析に成功した。現在反応性を検討しているが、シリレン架橋錯体には見られない特異な反応性を見出している。 3.ROあるいはRS基(R=アルキル、アリ-ル)が2つのゲルマニウムあるいはゲルマニウムとケイ素を架橋したそれぞれビスゲルミレン(シリレン)鉄錯体を合成した。これらの錯体ではFe=Ge結合の回転が起こることを見いだし、NMRを用いた速度論的検討からFe=Ge結合の回転障壁エネルギ-は余り大きくないことを明らかにした。また、嵩だかい置換基を導入したトリヒドロゲルマンとシリル鉄錯体との光反応を行なったところ、ゲルミレン架橋鉄二核錯体およびビス(ゲルミレン)架橋鉄二核錯体が生成することを見いだした。また架橋ゲルミレン配位子上のヒドリドをハロゲンに置換することに成功した。現在ゲルミリン錯体の合成を検討している。
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