研究課題/領域番号 |
03233207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齊藤 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (90011006)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | トリエチルホスフィン / トリメチルホスフィン / モリブデン / クラスタ- / 超原子価状態 |
研究概要 |
(NH_4)_2[Mo_3S(S_2)_6]とトリエチルホスフィンの反応により生成する錯体、[Mo_6S_<12>(PEt_3)_6]1の構造解析に適した単結晶が得られ単結晶X線構造解析をおこなった結果、6個のモリブデン原子がRaft状に結合した平面骨格を有するクラスタ-錯体であることが明らかになった。 面配位硫黄は融合三角面の上下に交互に配位する。 各モリブデンーモリブデン稜は硫黄による架橋される。 トリエチルホスフィンが各モリブデン原子に1個ずつ配位しており、配位環境が異なるので^<31>P NMRスペクトルは3種の吸収を示す。 モリブデンスルフィドクラスタ-において2個以上の三角面が水平方向に融合した構造を持つものとして最初の例であり、昨年の研究報告において提出した推定構造と異なるものである。 1とトリメチルホスフィンの反応では [Mo_3S_5(PMe_3)_6]2 が生成した。 単結晶X線構造解析により、2は3個のモリブデン原子から成る正三角形クラスタ-骨格の上下に硫黄が面配位、各モリブデンーモリブデン稜に硫黄が架橋、各モリブデン原子に2個のトリメチルホスフィンが配位した構造が明らかになった。 モリブデンの酸化数は平械3.3価であるが、Mo^<IV>Mo^<III>_2という混合原子価状態ともみなせる。サイクリックボルタノメトリ-は1電子酸化および1電子還元波を示す。同様な反応をブチルアミン共存下におこなう4個のモリブデン原子が菱形をなした平面状Raft構造を持つ錯体 [Mo_4S_6(SH)_2(PMe_3)_6]3が生成した。 菱形を構成する外縁のモリブデンーモリブデン結合距離は等しく(2.825A^^゚)モリブデン10電子系に対する構造である。 1、2は同じパタ-ンの縮合反応で生成するものと推定されるので、超原子価状態の硫黄を有する更に重合度の大きい平面状クラスタ-クラスタ-の合成の可能性が示された。
|