研究概要 |
本研究は分散適応制御の自律分散システム原理からの見直しである。つまり、分散適応制御系に耐故障性や増設可能性といった自律分散システムの特徴を導入し、秩序維持に対応する安定性が保証できる条件を研究した。これを自律分散型適応制御系と呼んでいる。具体的には、昨年度の重点領域研究(課題番号02248202)で行なった二つの制御局を持つ場合を複数の制御局がある場合に一般化し、その中の制御局が故障した場合に安定性が保存されるための条件や安定性を崩さないで新たな制御局を追加する方法を明かにした。 以上の基本的な成果は計測自動制御学会学術講演会特別セッション(1991年8月)、日本応用数理学会年会(1991年10月)、自動制御連合講演会(1991年11月)に報告した。また、これらを一般化した成果を、第2回重点領域研究「自律分散システム」全体講演会(1992年1月)および適応制御シンポジウム(1991年1月)に報告した。これらに平行して、研究した自律分散型適応システムと自律分散原理の関わりを重点領域研究「自律分散システム」B03、C01、C02各班合同研会(1991年10月)および第2回重点領域研究「自律分散システム」全体講演会におけるパネル討論「自律分散原理を探る」で講演した。このパネル討論での講演内容は本重点領域研究の総括班から小雑誌として配付され、今後の自律分散原理探求のたたき台となる予定である。 また、これらの成果を、ICARCV '92(International Conference on Automation,Robotics and Computer Vision,Singerpore,1992年9月)の招待セッションおよびAARTC '92(IFAC Workshop on Algorithms and Architectures for Real‐time Control,Korea,1992年8月)の一般セッションで発表予定である。以上の加えて、本研究の原点となる分散適応制御系の安定解析を行なった研究が1992年5月発行の計測自動制御学会論文集に掲載される予定である。
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