研究課題/領域番号 |
03234214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 好輝 京都大学, 工学部, 助手 (80159748)
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研究分担者 |
堂園 浩 熊本大学, 工学部, 助手 (00217613)
荻野 勝哉 京都大学, 工学部, 講師 (60026292)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 自律分散システム / 免疫ネットワ-ク / 並列分散処理 / 故障診断 / センサ-ネットワ-ク / 自己診断 / 生物情報システム / 学習アルゴリズム |
研究概要 |
免疫機構が行う情報処理として特徴をまとめると以下の様になる。 (1)相互認識;認識は相互認識ネットワ-クにより行う。 (2)情報記憶;膨大なパタ-ンを記憶し識別する。 (3)学習能力;パタ-ン認識能力は、学習により獲得する(遺伝ではなく、1世代で獲得)。 (4)超多様性獲得;膨大なパタ-ン識別に必要な超多様性をコピ-(遺伝)によらずに、組合せ生成する。 (5)論理パラドックス回避;自己/非自己認識を行う。 これらのそれぞれの特徴に着目し、(1)相互認識ネットワ-クモデル(相互認識に着目)、(2)免疫学習モデル(情報記憶および免疫型学習に着目)を提案した。そのうち(1)の相互認識ネットワ-クモデルについては、そのニュ-ラルネットと同様な学習アルゴリズムを開発し「1」、その応用としてセンサ-ネットによるプロセス計装システムを開発した。プラントに付けられたセンサ-群は、相互に依存関係をもっている場合が多く、この依存関係を利用すれば、多くのテスト関系をもつネットワ-クが講成される。このセンサ-による自律分散処理は、多くのセンサ-情報が集中的に行われる前に、完全に自律分散的に行うところにその特徴がある。これは、センサ-に目としての機能にさらに、少しの情報処理機能(自律性)を加えたことにより可能となる。現在、セメントプラントの10箇所の温度センサについて、計算機シミュレ-ションによりこのセンサ-ネットワ-クのテストを行った。この10個の温度の間には、プロセスにおけるサイクロン間の物質および熱の流れからいくつかの制約関係が成立する。これを用いてセンサ-ネットを構成した「2」。同様な競合型の学習アルゴリズムを、回路のテストポイントの自動選択に適用した。これは、近くのテストポイントが相互に反発しあうような場を設計し、それによりテストポイントの一様な分散を行ったものである「3」。(2)のモデルについては、ニュ-ラルネットと同様にパタ-ン学習を行うモデルを開発した「4」。 以上のモデルの他、超多様性のコピ-によらない獲得も情報の保存・転送をほとんどコピ-にたよっている情報システムに大いに発想の転換を与える情報モデルを与えてくれる。また論理パラドックス回避に着目した自己認識モデル「5」も、それが自己増殖など生物で使われている基本原理によっているので、生物的な情報システムを考えていく上で有用であると考える。最後に、これらの免疫型学習モデルと、他の生物系、経済系などの自律分散システムを参考に、これらの自律分散システムの情報処理に共通な特徴を探ってみた「6」。
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