研究課題/領域番号 |
03235109
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鳥居 宏次 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10172222)
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研究分担者 |
筧 捷彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20062672)
落水 浩一郎 静岡大学, 工学部, 教授 (10022310)
菊野 亨 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (50093745)
谷口 健一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00029513)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1991年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | ソフトウェアプロセス / プロセスの共通問題 / プロセス知識獲得 / プログラム導出プロセス / 開発プロセス制御 |
研究概要 |
本研究ではソフトウェアの構成プロセスをいくつかの代表例に焦点をしぼっていろいろな方法で解明すると共に、それを記述するための言語体系の満たすべき条件の整理、それらの実働化実験としてプロセス実行支援系のプロトタイプの試作などを目的としている。 鳥居らは、ソフトウェアプロセスの種々の記述の比較を行なうための共通問題としてMarc Kellnerが提案したソフトウェアプロセスモデリングのための例題をまず、タイミングチャ-トを用いて記述した。しかし、これでは記述できないいくつかの問題があるため、それらを正確に記述するためにペトリネットを用いて記述を行なった。この記述を、プロセス記述言語PDLに変換、実行し、動作を確認した。 谷口らは、共通問題の全体記述を分散システムの仕様記述言語LOTOSで記述し、この記述から、開発に参加する技術者各人のプロセス記述を自動的に導出し、導出の際の問題点や得られた個人プロセスの有効性などについて調べた。 菊野らは、計測環境GINGERを用いたプロジェクト制御の支援をした。計測環境GIGNERはプロジェクト制御のための3つの作業,(1)プロジェクトの現状把握,(2)計画と現状の差の評価,(3)開発者と管理者への評価結果のフィ-ドバック,を自動的に行うものである。GINGERシステムのフィ-ドバック情報によって,開発者は自分の開発プロセスの理解・制御が可能となる.大学における適用実験の結果,GIGNERシステムを用いた開発者自身による自己管理(制御)の有効性が確認された。 落水らは、ソフトウェアプロセスの再利用技術を開発するという目標のもとに、ソフトウェアプロセス知識の獲得法、および整理法に関する研究をすすめており、その現状と問題点を整理した。獲得法に関しては事例推論、整理法に関しては帰納推論の手法を利用しているが、現在、以下の問題点をかかえている。(1)ソフトウェア開発活動の基本単位の定義法(事例の表記法)がつかめない(2)事例を一般化して得られる知識の評価法がつかめない、全体としては、「解決不可能な問題」にチャレンジしているのではという疑問も頭をもたげる。 仕様から算譜(program)を導出するプロセスにおいて、暗黙に仮定された解の「存在」を前提とした場合にいわゆるgenerate and test方式の算譜が出てしまうことが多い。筧らは、導出の支援システムが「背理法」を認めない程度にするのが、「訓練用」システムとしては良い結果をもたらすのではないか、という問題提起を行なった。
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