研究概要 |
(1)メンタルモデルの記述と実装:状態機械、並行プロセス、抽象デ-タ型などから構成される抽象複合機械によってメンタルモデルを記述し、オブジェクト指向モデルによって実現することを目的とする。C++などのプログラム言語によって記述され、Unixプロセスとして並行に実行される複合オブジェクトをワ-クステ-ション上で実現し、これによってメンタルモデルを模擬し、実行させている。 (2)メンタルモデルの進展過程の記述:メンタルモデル要素を圏(category)、要素間の関係を関手(functor)として、要素から要素への推移を形式的に表す。ソフトウェア設計の上流過程から下流へ移る過程におけるメンタルモデルの進展をπーclausal institutionによって記述した。 (3)メンタルモデル形成プロセスにおけるリフレクションの利用:メンタルモデル要素を記述するプロセスの記述を抽象化したオブジェクトをベ-スとしたとき、その1階上のリフレクションまで記述する方法、およびこれらを支援する環境を開発した。さらに2階のリフレクションについて研究中である。 (4)メンタルモデル間の関係クラスの生成:あるメンタルモデル要素から、これによって作られる新しいメンタルモデル要素を生み出すプロセス・プログラムを用いて、関係クラスを形式的に生成する方法を開発した。 (5)計算機による支援環境の開発:CASEツ-ルを統合,相互接続する開放型プラットフォ-ムであるKyotoDBの試作を行った.ソフトウェア開発保守におけるプロセスとプロダクトを統合的に管理するため,単位作業の管理と支援,プロダクトの意味構造の保持,協調活動の管理と支援,プロジェクト全体の管理をそれぞれ行う4つのクラスの複合構造化したオブジェクト・デ-タモデルである.
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