研究課題/領域番号 |
03236220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 一清 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023483)
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研究分担者 |
岡田 鉦彦 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023103)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 動的天然物化学 / 精密構造認識 / 合成多糖 / 細胞表層多糖 / 糖質高分子化学 / 構造制御合成 / 糖質工学 / 細胞特異性高分子 |
研究概要 |
糖質高分子合成化学の観点から、構造の明確な多糖導体を精密化学合成し、糖鎖の特異的な精密構造認識機能の解明に役立てることを目指している。有機化学や重合化学の理論と、糖質化学や生物化学の手法とを活用して次の成果を得た。(1)アンヒドロ糖誘導体の開環重合を経由して3ーデオキシー3ーフルオロー(1→6)ーαーDーグルコピラナンを合成した。低分子の糖質にフッ素原子を置換することによって特異な生理活性や薬理活性が発現することや、フッ素を置換した合成高分子材料が高性能化および高機能化されることはよく知られている。しかし、今回合成したようなデオキシフッ素化した明確な構造をもつ多糖はいままで全く報告例がない。抗体や酵素への取り込みの解析のためにモデル物質として特異な機能を発揮するのではないかと考えている。(2)アシアロ糖タンパク質レセプタ-を経由する肝細胞の興味ある組織形成挙動を見出した。(3)クラスタ-型糖鎖をもつ2種類の糖鎖高分子を合成した。(4)酵素合成法を組み合わせて3種類の糖鎖結合ビニルモノマ-を合成した。糖質加水分解酵素を用いて糖鎖交換反応を行って糖鎖を伸長させる研究が、最近やっと可能となってきたが、それを高分子物質の合成に適用した例はほとんどないので、この分野を先導する研究である。これらの機能多糖には、糖鎖が認識信号として濃密に組み込まれている。低分子物質とは異なった特有の動的精密構造認識を発現し、新しい生理・薬理活性物質や生体機能材料の創出につながることを期待したい。
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