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レチナ-ル蛋白質の光励起によるレチナ-ル立体異性体識別機構と機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 03236228
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

徳永 史生  大阪大学, 理学部, 教授 (80025452)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードレチナ-ル蛋白質 / レチノクロム / 光異性化 / ラマン散乱 / ロドプシン / バクテリオロドプシン / 視物質
研究概要

視物質は光を吸収して励起状態になり、その緩和過程で11シス型発色団を全トランス型に特異的に異性化する。遊離の11シスレチナ-ルを光照射した時にもこの異性化が起こるが、この量子収率は視物質に比べて低い。視物質を機能させるためには11シス型のレチナ-ルが必要であるが、イカ等の軟体動物は、全トランスレチナ-ルを、光のエネルギ-を利用した励起状態を通して特異的に11シス型に異性化するレチノクロムを持っている。レチノクロムは全トランス型だけでなく、9シス型、13シス型のレチナ-ルも光で11シス型に特異的に変化させる。そして得られた11シス型レチナ-ルを視物質に供給している。レチノクロム内部での発色団の構造を知るためにレチノクロムの共鳴ラマン散乱の測定を行い、ロドプシンやバクテリオロドプシンのデ-タと比較した。室温で488nmの光をプロ-ブとして水中と重水中で測定した。このスペクトルはプロ-ブ光が強く、レチノクロムとその光産物であるメタレチノクロムとが光平衡に達した状態のものと見做される。デ-タは11シス型のプロトン化シッフ塩基のモデル化合物のパタ-ンと似ていた。ラマン散乱測定後、試料からレチナ-ルを抽出してその異性体組成をHPLCで調べたところ、70%が11シス型であった。メタロドプシン中のレチナ-ルは遊離の11シス型に近い。1640cmのピ-クは重水中で1626cm^<-1>に移行するので、プロトン化したシッフ塩基のC=N由来のピ-クである。レチノクロム中のレチナ-ルはロドプシンと同様プロトン化したシッフ塩基結合で結合していることが明かとなった。多くの場合レチナ-ルプロトン化シッフ塩基は1650cm^<-1>付近にピ-クを示す。レチノクロムの場合は1640cm^<-1>でやや低波数にあり、結合エネルギ-が少し小さく、結合が比較的弱いことを示している。これはレチノクロムの視物質に対する発色団供給の機能において都合がよいと思われる。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Iwasa;T.,Nakajima,K.;Takao,M.and Tokunaga,F.: "Lightーdependent protonmovement and photointermediates on bacteriorhodopsin photccycle." Sci.Rep.Tohoku Univ.11. 229-237 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Kataoka,M.;Sato,N.;Hamanaka,T.;Amemiya,Y.and Tokunaga,F.: "Properties of disorder induced in the purple membrane strucutre by iodination." Sci.Rep.Tohoku Univ.11. 239-250 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Sekiya,N.;Kishigami,A.;Naoki,H.;Chang,C.ーW.;Yoshihara,K.;Hara,R.;Hara,T.and Tokunaga,F.: "Fourier transform infrared spectroscopic study of retinochrome and its primary photoproduct lumiretinochrome." FEBS Lett.280. 107-111 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 久富 修,徳永 史生: "PCR法の実際と視物質遺伝子のクロ-ニング" 生物物理. 31. 161-163 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 徳永 史生: "バクテリオロドプシンの構造モデル" 化学. 46. 438-439 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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