研究課題/領域番号 |
03236230
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菅 隆幸 広島大学, 理学部, 教授 (00033811)
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研究分担者 |
平賀 良知 広島大学, 理学部, 助手 (10238347)
泉 俊輔 広島大学, 理学部, 助手 (90203116)
宗貞 清貴 広島大学, 理学部, 助手 (30166235)
太田 伸二 広島大学, 機器分析センター, 助教授 (60185270)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 高等植物 / ゲラニル二リン酸合成酵素 / 縮合面の立体化学 / 水素脱離の立体化学 / リモネン / 種特異的キラル発現機構 / 二リン酸基脱離の立体化学 / 二重結合形成機構 |
研究概要 |
1.ゲラニル二リン酸(GPP)はC_<10>のモノテルペノイド生合成の基本骨格を示す化合物である。高等植物において、GPPはファルネシル二リン酸生合成の中間体として生成するとされ、GPPのみを特異的に生合成するGPP合成酵素は存在しないとされていた。そこで、高等植物にGPP合成酵素が存在しているのかどうかを調べた。また、その酵素によるGPP生合成反応の機構を解明した。その結果(1)Takhtajanの被子植物系統樹における主な5ツの亜綱に属するゼラニウム、ミカン、ハッカ、クワ、ポインセチア、クスノキおよびホウショウのそれぞれにGPP合成酵素が存在していることを実証した。このことは、GPP合成酵素が高等植物に広く存在していることを示唆している。(2)GPP合成酵素によるGPP生合成におけるtransープレニル化の機構は、ジメチルアリル二リン酸がイソペンテニル二リン酸にsiーsi面付加、syn脱離の様式で縮合することを実証した。このtransープレニル化における立体生御は、動物や微生物の場合と同じであることを明らかにした。 2.ハッカおよびミカンのリモネン生合成酵素によって、非キラルなGPPが環化して種特異的に光学活性なリモネンが生合成される過程のキラル発現機構の解明を計った。その結果、(1)ハッカにおいて(S)ーリモネンが生合成される場合にはGPPの二リン酸基はsiーsi面側に脱離し、一方、ミカンにおいて(R)ーリモネンが生合成される場合にはreーre面側に脱離することを実証した。したがって、種特異的立体化学をもつリモネンが生合成される際のリモネンの4位のキラリティ-は,GPPからの二リン酸基の脱離の方向によって決定されることを明らかにした。(2)リモネンの8位二重結合の形成は立体特異的に制御されていて、(S)ーおよび(R)ーリモネンのいずれにおいてもGPPの10位メチル基からの位置選択的な水素脱離によっていることを明らかにした。
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