研究概要 |
本年度交付申請書の研究実施を計画に従って報告する。1).イ)チャ葉リポキシゲナ-ゼの精製穏和な抽出条件で得たチャ生葉膜画分より各種界面活性剤によるリポキシゲナ-ゼの可溶化を試みたが、いずれの場合もリポキシゲナ-ゼは可溶化されなかった。このことはリポキシゲナ-ゼが膜に結合していることを活性発現の必要条件としていることを示唆する。現在、ダイズ種子リポキシゲナ-ゼに特異的な抗体を作成し、チャ葉リポキシゲナ-ゼとの交差反応を試みている。ロ)酵素修飾モデル酵素であるダイズ種子リポキシゲナ-ゼ‐1のアルギニン残基を修飾して活性発現様式の変化を追ったところ、アルギニン残基を修飾したリポキシゲナ-ゼは修飾しないものと比較してその活性が反応液のイオン強度に大きく左右されることを明らかにした。2)基質構造異性体を用いてLox活性及びHPOLyase生成物特異性の解析等基質として各々の酵素の親水領域及び疎水領域の検索のため前者に対してはω6,ω9のジエン系及びω3,ω6,ω9のトリエン系でω10位よりカルボン酸側へ炭素鎖を延長したC_<14>‐C_<24>構造異性体(以下気質A,Bグル-プと略称)を合成、また後者についてはα位より数えて14〜24まで炭素鎖を延長したカルボン酸構造異性体(Cグル-プ)を合成した。そして、まずLOX活性はAグル-プに対してω6位へO_2添加の相対活性はリノ-ル酸(C_<18>)を100とし、C_<20>:120にピ-クをもつこと、Bグル-プは各々に対してC_<20>:140にピ-クを示し、活性は両側でかなりブロ-ドな値を示した。一方Cグル-プはC_<18>を100とし、それ以外ではいずれも10%以下で非常に特異性がはっきり示された。また、各生成物の幾何異性性や光学異性性について分析結果を出し、その反応に関する解析がなされ公表した。
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